2009年11月27日
エボニック、上海でMMAの生産開始
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

Evonik(旧 Degussa)は11月24日、上海化学工業区でMMAプロジェクト・スタートアップの式典を行った。

250百万ユーロを投じたもので、原料イソブチレン年産105千トン、MMAモノマー 100千トン、メタアクリル酸 15千トン、ブチルメタクリレート 20千トンを生産する。
40千トンのPMMAは既に2008年第4四半期にスタートしており、商業生産を行っている。



このプロジェクトは2007年第1四半期に政府の承認を得て、同年第4四半期に建設を開始した。
既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=22253

本計画では環境面を考慮し、ACH法ではなく、直酸法を使用している。日本企業からの技術導入とされるが、社名は明らかにされていない。
SECCOから原料C4を購入し、子会社のOXENOがMTBEからイソブチレンを抽出している。

なお、Evonik は2008年に新しいACH法を開発した。硫酸の代わりに触媒を使用するもので、硫安を副生しない。

上海化学工業区では、三菱レイヨンの子会社となったLuciteがACH法で年産100千トンのMMAを生産している。
SECCOから副産の青酸を購入している。

このほか、三菱レイヨンの100%子会社の恵州恵菱化成が広東省恵州市の大亜湾経済技術開発区で直酸法で90千トン(スタート時は70千トン)のMMAプラントを持っている。

EvonikのMMA事業は元はドイツのRohm で、1989年にHulsが買収した。
Hulsは1999年にDegussaと合併してDegussa-Huls となり、2001年にDegussa と改称した。

2007年末に事業再編を行い、Evonik と改称した。

なお、ドイツのRohm は第一次世界大戦までは、米国のRohm and Haas の親会社であった。
Rohm and Haasは本年4月1日にダウが買収し、その子会社となっている。