2009年12月03日
山東省が3地域で10大産業振興 自動車、石油化学など
【カテゴリー】:海外
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 山東省は3日、東京で「省地域発展戦略と10大産業振興計画」の説明会を開いた。姜大明・省長の挨拶のあと費雲良・省発展改革委員会主任が計画の内容を説明、日本企業に参加、協力を求めた。また、300件の推薦プロジェクトを提示した。

 姜省長は「省はまず、海洋資源の開発に重点を置くことにし、沿海7つの市を“山東半島藍色(沿岸)経済圏”として発展させる。同経済圏は7万平方キロ、人口3,561万人、港湾は5カ所。自動車、造船、石油化学などの産業が発達している。黄河デルタ経済区の6市2万6,500平方キロの開発、日照臨港産業集積地などにも力を入れる」と語った。

費主任の説明の要旨は以下の通り。

 改革開放の30年来、省は科学的発展を進め、経済社会に大きな変化をもたらした。08年のGDPは3兆1,072億元と3兆元を超えた。1人当たりGDPは4,749ドルとなった。30年来、年平均12.1%の成長率だった。

 ことしは金融危機があったが1-9月でGDPが2兆3,959億元、前年同期比10.5%成長した。9,400万人の住民は効率的かつ快速な発展を目指している。
 
 省の地域発展戦略と主要10大産業振興計画を紹介する。半島経済圏は青島、東営、煙台、維坊、威海、日照、浜州の7市で構成する。海域面積14万平方キロ、海岸線3,121キロ、08年のGDP1兆6,205億元、省の52.2%を占めている。
 
 同経済圏は経済価値の高い生物資源が400種以上あるほか、石油、天然ガス、塩化学工業の原料が豊富。利用されていない土地が53万ヘクタールもある。また、港湾が発達しており、08年の貨物の取扱量が6.6億トンに及んだ。

 中国海洋大、科学技術院海洋研究所などの基地が集まっている。産業基盤も整っている。中西部の解放、開発、発展を牽引し、海洋発展のモデルを樹立できる。長い海岸線に沿って、次の産業クラスターを形成することができる。
一つは黄河デルタの生態経済区で東営、浜州、煙台、維坊など6市19件が対象になる。人口985万人。土地が豊富で未開発の土地が35万ヘクタールある。石油50億トン、天然ガス2,300億立方メートル,にがり135立方メートル埋蔵されている。

 石油第1次精製能力が全国の10分の1、石油関連機械設備の出荷額が40%を占め、黄金加工料も32%。そこで石油化学、港湾関連、風力発電、太陽光発電などの新エネルギー、物流、農業、観光業などを育成する。

 2つ目はハイテク産業クラスター。青島、煙台、威海、維坊の4市。面積4.7万平方キロ、人口2,718万人。臨港産業、物流が発達、IT産業、装備製造産業、サービス業が発展している。

 3つ目は日照市を中心とする臨港産業集積地。同江—三亜、日照-東明など3本の鉄道がある。ユーラシア経済圏と北東アジア経済圏の交差点である。日照港の貨物取扱量は1.5億トンに達している。省都・済南周辺の発展も加速させる。大型トラック、太陽エネルギー、セラミクス、非鉄金属、金融保険、観光業などを発展させる。

 10大産業振興計画としては鉄鋼、自動車、船舶、化学工業、家電、製紙、食品などの軽工業、紡績、非鉄金属、装備製造業、情報、物流などに力を入れる。
 
 08年の日中貿易は184億ドル、日本からの投資は62億ドルで、いずれも山東省にとってよき取引パートナーとなっている。