2001年04月10日 |
石化製品、世界全体に余剰感強まる |
NPRAの年次総会で浮き彫りに |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:BASF、丸紅、エクソンモービル |
丸紅など大手商社によると、先に米国・サンアントニオで開催されたNPRAの第26回年次総会では、世界各国の多くの商社や石油化学関係者から、石油化学製品全体に需給バランスが悪化して余剰感が強まっているとの見解が示された。また、価格も低下傾向にあり、第4・四半期までは世界全体で軟化が続くと述べる向きが大勢を占めた。 景気後退の影響が注目されている米国の場合は、石油化学産業全体が「景気の後退」に加えて「原燃料価格の高騰」と「設備過剰」の二つの難題にも遭遇して苦戦を余儀なくされている旨の報告があった。天然ガスの価格については、元のレベルまで下がることは考えられず当面100万btu当たり3.5ドルから5ドルの幅で推移すると見る向きが多い。また、供給力過剰は向こう3年は解消できないと予想する関係者が少なくない。5月にフォルモサが、また9月にBASF/アトフィナがそれぞれ新しいエチレンプラントを立ち上げることで過剰感が一層強まると警戒している。エチレンの価格は3月、4月と連続して下がっており、2Qから3Qにかけてさらに下降すると予想されている。 こうした米国の石油化学産業の厳しい状況変化は対米輸出に対する依存度の高いアジア地域の石油化学産業に大きな影響を及ぼしつつあり、今後一段と影響度合いが鮮明になっていくと見られている。シンガポールのエクソンモービルの大型エチレン装置が稼動を開始すると予想されている2Q以降しばらくが特に警戒されると見る向きが多い。 また、欧州も、中東からエチレンと誘導品が大量に流入してくる見通しなので今後は需給バランスが次第に崩れてくると多くの関係者が予想している。 |