2009年12月11日
出光興産、潤滑油事業で海外展開拡大へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:出光興産
記者会見する関執行役員

 出光興産の執行役員で潤滑油部長の関洋氏は11日記者会見し、同社の潤滑油事業の現状と今後の展開について語った。この中で「当社の潤滑油販売量は07年度の100万キロリットルをピークに減少傾向にある。国内需要そのものの回復も当面は難しい」とし、対策として「今後は海外市場の拡大と、商品の高機能化に力を入れる」との方針を強調した。
 
 同社は同日、ブラジルに販売子会社の設立を発表したが、海外展開は1966年の台湾での販売開始以来40年以上の歴史を持っている。
 
 特にわが国自動車メーカーが海外に工場進出し始めた80年代以降は、日系メーカー向けを中心に供給拠点の拡充を図ってきた。現在、欧米、アジアなど世界の27カ所に製造拠点、30カ所に販売拠点を持っているが、今後はロシア、ベトナム、フィリピン、メキシコなどの各地を候補にさらに海外拠点拡大を図る。
 
 また同社は、千葉に潤滑油専門の研究所を持ち、150人体制で技術開発研究にあたっているが、グローバルな商品戦略として、HV・EV車に対応した「超省燃費エンジン油」や環境調和型「高機能工業油」、「非塩素系切削油」の開発を目指す。さらに風力発電機用潤滑油などが重点テーマにあがっており、早期に商品化を実現したいとしている。

 なお、2008年の世界潤滑油販売ランキングは以下の通り。

■2008年 世界潤滑油販売ランキング (出典=PFC Energy 2008)
(1)Shell
(2)Exxon Mobil
(3)BP
(4)Chevron
(5)Petro China
(6)Sinopec
(7)Total
(8)Fucha
(9)Lukoil
(10)出光興産
(11)Petro Canada
(12)新日本石油