2001年04月10日
PBT、2000年出荷は国内9万トン/輸出3万トンの12万トンに
今年は内外とも需要はやや減速
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 日本のPBT(ポリブチレンテレフタレート)メーカーによると、2000年の出荷量は国内向けが9万トン弱、輸出向けが3万トン前後となり、合計で12万トンと前年を14~15%上回ったもようだ。ただし今年については、昨秋以降続いている景気の減速によりやや厳しい見通しとなっている。
 PBTを含めたいわゆる5大汎用エンプラは、特に昨年上期にIT関連用途を中心として大幅に需要が拡大した。しかし昨年後半、特に9月頃からは東南アジアの日系電子部品メーカー向けなどの需要にかげりが見え始め、輸出向けが減少、年末以降は国内向けも電子部品メーカーの減産が徐々に広がり、内外ともに需要は冷え込んでいる。
 昨年の後半から需要が減少してきた要因について、メーカーでは、「イメージとしては、パソコンなどの需要が年率10%台の伸びであるところに、部品メーカーは30~40%増のペースで樹脂を調達していた。これだけのギャップがあるところで、景気がやや冷え込んだため、その影響が大きく出た格好だ」としている。このため東南アジアの部品メーカーでは、設備稼働率を60~70%まで落としているケースもあるという。
 今年については、1~3月期が低調に終わり、4月に入っても販売は思わしくないこともあり、「特に2月には急ブレーキがかかった。いつ景気が回復するか見通しが立てにくい」というのが実状で、新規需要などを探りながら景気の回復を待つ、ということになりそうだ。