2009年12月16日
菅原VEC会長「来年の企業心理は“守り”避けられず」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会
菅原公一会長

 VECの菅原公一会長(カネカ社長)は16日の定例記者会見で、塩ビ樹脂の最近の需給状況について「11月は定修明けもあって生産が増えた。出荷は国内向けで9万トンを期待したが8万8,000トンと届かなかった。海外市場は依然好調で市況も安定している。とくに中国、インド、中近東からは引き合いも活発だ」と語った。
 
 続いて「12月がどうかだが、クリスマスや年末年始を控えて、例年以上に手仕舞い感が強く出ている。景気のせいだと思う。PVCの国内需要は暦年ベースで見て結局100万トンを割るだろう。前年比82〜83%というところだ。住宅着工件数の100万戸割れの影響がやはり大きい」と分析した。
 
 また2010年の経済見通しについて「アジアの経済は引き続き好調だろう。日本国内は非常に不透明だ。為替、原油、デフレ、2番底などと懸念材料が多く、見通しとしてはやや暗い。企業心理としても、どうしても“守り”の状態に入らざるをえない」と強調した。
 
 このあと「ただ塩ビ業界としては、樹脂そのものに対するマーケットの評価が大きく変わり、価格、品質、環境面で素材として優れているという認識が広がってきたとの手ごたえが感じられている。新しい需要の開拓も進んでいるし、これからは都市型事業として老朽化した地中管の整備なども期待できる」と、先行きに期待する姿勢を見せた。