2009年12月18日
米倉日化協会長「今夜のCOP15 行方に注目」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学工業協会
米倉弘昌会長

 日本化学工業協会の米倉弘昌会長(住友化学会長)は18日、理事会後の記者会見で、コペンハーゲンで開催中の「COP15」の行方について「今夜遅くにも鳩山総理や米オバマ大統領、中国の温家芳首相らによる首脳会合が開かれる予定になっているが、これまでの各国間の議論からみて調整は難しい。政治合意の可能性も低いと思う」と感想を述べた。
 
 「日本だけ突出した削減目標に取り組むことになるのでは」との記者団からの質問には「鳩山総理は従来から“すべての主要国の参加による、公平で実効性のある国際枠組みの構築が不可欠”と言ってこられた。この基本原則だけは守ってほしい。25%という数字が産業界や国民にとっていかに大変なものであるかはすでに申し上げてある」と答えた。
 
 また「もし、日本だけやることになったら」との問いには「欧州も言っているように原単位ベースでというなら、何とか考えないといけない。しかし総量で25%となるとまず実行は不可能だ。一般家庭で使う電力を太陽光や風力発電に全部変えるようなことをやらないといけないが、それだって費用を誰が負担するのかなどの問題が出てくる」と語った
 
 その後、さらに「総量規制となるとどの産業がどれだけ負担するのか。公平な割当ができるのかがまず問題だ。これまでの省エネにしても産業によって取組みに差があるし、企業同士の間にもまた違いがある。ものづくり社会の中で競争力のある産業をどう構築していくのか。調整には何年もかかってしまう」と述べ、「COP15では先進国と新興国の間で激しい議論が行われているが、同じような議論が日本国内でも起こることになるのではないか」と、厳しい表情を見せた。