2009年12月24日
旭化成ファーマ 米CoTherix社の契約違反に裁定、賠償金91百万ドル
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ファーマ

 旭化成は24日、旭化成ファーマ(本社:東京都千代田区)が米国の医薬品会社CoTherix社を相手取り、国際商工会議所(ICC)にライセンス違反で損害賠償を請求していた問題で、このほどCoTherix社に対して91百万米ドルの支払いを命じる最終裁定が下されたと発表した。

 旭化成ファーマは06年6月、CoTherix社に同社が開発したRho-kinase阻害剤「ファスジル」の開発・販売権を供与するライセンス契約を締結した。
 
 しかしCoTherix社が07年1月ファスジルの開発を中止したため、ライセンス契約違反に基づく損害賠償を求めてICCに仲裁手続を行っていた。

【CoTherix社の概要】
◇本社  :米国南サンフランシスコ市
◇事業内容:肺高血圧症薬Ventavisを2005年から販売
(注)CoTherix社は、2007年1月にActelion社(スイス)に、Actelion社の米国子会社を介して買収された。

<用語の解説>
■Rho-kinaseとは:
Rho-kinaseは、細胞内情報伝達に関与するリン酸化酵素で 、血管平滑筋の収縮・弛緩をコントロールする生体機能分子として、近年、注目を集めている。血管平滑筋に存在するRho-kinaseが異常に活性化されると、血管平滑筋の収縮が亢進され、 その結果生じる血流障害により組織の機能異常が起こる。
Rho-kinase阻害剤であるファスジルは、 血管平滑筋の収縮を抑制するとともに、付随しておこる組織障害を効果的に改善することができる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1261639780.doc