2010年01月05日
中国 メタノールからプロピレンを製造 流動床技術開発
清華大、天津大などの大学・企業集団 検定にパス
【カテゴリー】:海外(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:なし

 中国科学工程集団公司が提唱して設立された「次世代石炭化学産業技術新戦略聯盟」は、このほど石炭を原料とするメタノールからプロピレンをつくる新技術を開発したことを明らかにした。この技術は流動床方式で、FMTP法と呼ばれている。

 同聯盟には中国化学工程集団公司、安徽准化集団有限公司、中国華能集団公司や清華大、天津大など14の大学、企業が加盟している。07年に科学技術省、財務省、教育省、国務院、全国総工会、国家発展銀行など6省庁・団体が同聯盟の実験作業をスタートさせた。

 実験作業には1億8,000万元が投入された。小規模試験は清華大化学工業学科で始まり、安徽省准南のFMTP工業技術プロジェクトで成功、昨年11月末に中国石油・化学協会による成果検定にパスした。

 内容は基礎研究、工学スケールアップ、工業試験の3つ。スケールアップは化学工程集団公司が引き受けた。メタノールの生産規模は年3万トン、触媒規模は原粉で33トンとしている。

 中国ではいかにして石炭資源をクリーンに、高効率で利用するかが課題となっており、同技術の開発が高く評価されている。

 わが国では三菱化学と三菱ガス化学それぞれ独自技術でメタノールからジメチルエーテルを経由して、プロピレンをつくる製法を確立、本格的なプラントを建設中だが、中国ではこの製法は、知的所有権も確立できると自信を示している。


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