2010年01月14日
NTT子会社、三菱化学に窒化ガリウム系ウエハ製造委託
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱化学

 NTTアドバンステクノロジ社(本社:東京都新宿区=以下NTT-AT)は14日、“ユビキタスネットワーク時代”を支える高性能電子デバイスの製造に向けて、キー素材となる窒化ガリウム(GaN)系エピタキシャルウエハ(*1)の生産能力を拡大するため、三菱化学への製造委託を本格的に開始したと発表した。
 
 “ユビキタス”はラテン語で、いつでもどこでも情報ネットワークにつながり、アクセスできるという意味。この新しいネットワーク時代に必要な超高速・大容量の無線通信システムを実現していくためには、パワーアンプなど高周波で動作する高性能な電子デバイスが不可欠となる。
 
 また、電子機器の省エネルギー化・小型化も必要で、その実現手段として、高温環境下かつ低消費電力での動作が可能な電圧変換素子として、GaN系電子デバイスに注目が集まっている。このためNTT-ATでは、キー素材となるGaN系エピタキシャルウエハを安定供給できる体制を築く必要があり、三菱化学に製造委託することを決めた。
 
 三菱化学のMOCVD(*2)装置によるLED製造用GaN系エピタキシャルウエハ量産技術と、NTT-ATの製造ノウハウを融合させ、GaN系エピタキシャルウエハの量産体制を確立する。これにより、今後の高性能電子デバイス発展をサポートする。
 
 また両社は、三菱化学が白色LED用部材として製造・販売している新タイプのGaNエピタキシャルウエハを電子デバイスに利用するため、必要な研究開発を共同で進めていく方針である。

■用語の解説
(*1):窒化ガリウム系エピタキシャルウエハ シリコン(Si)やサファイア(Al2O3)等の下地基板の上に、窒化ガリウム(GaN)を薄膜状に結晶成長させたもの。携帯基地局用パワーアンプやインバータ(電源回路)などに利用されるパワースイッチング素子の部材などに使われている。
(*2):MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長) 有機金属ガスを用いた化学蒸着による半導体結晶成長のこと。


【NTTアドバンステクノロジ株式会社の概要】
・設立  1976年12月17日
・本社  東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル
・資本金  50億円 (日本電信電話 100%)
・事業内容  インフラ系事業、ソリューション系事業、プロダクトセールス系事業


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1263449846.pdf