2010年01月21日
旭化成 新経営陣発表、社長に藤原氏、会長に伊藤氏
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成
左から山口、伊藤、藤原、蛭田の4氏

 旭化成は21日、社長交代を含む新経営体制を発表した。4月1日付で代表取締役会長の山口信夫氏が代表取締役名誉会長、代表取締役社長の蛭田史郎氏は取締役最高顧問となり、取締役副社長の伊藤一郎氏が代表取締役会長、同じく取締役副社長の藤原健嗣氏が代表取締役社長に就任する。蛭田氏は6月下旬開催の株主総会後取締役を退任し、トップ経営陣は事実上3人の代表取締役で構成されることになる。
 
 4氏は記者会見しそれぞれ抱負や感想を述べた。まず山口氏は「(2011年度から始まる)新中計まであと1年あるが、新しい力でやった方がいいと判断した。新体制については蛭田社長とも相談して決めた」といきさつを説明した。
 
 後任社長の藤原氏については「技術畑で水島地区石油化学コンビナートに長く関わってきた。海外経験もあり、グローバルな感覚に優れている。性格も明るく、見た目以上に馬力もある」と太鼓判を押した。
 
 藤原氏は「この変動期に旭化成の持っている力を集め、次の時代にふさわしい会社を築いていきたい。何をやっていくかは中計の中で議論していきたい。エレクトロニクス、医療・医薬分野への経営資源集中など、大きな流れは変わらないと思うが、新中計では“世界の旭化成”というイメージに仕上げられたらいいなと思っている」と強調した。
 
 伊藤氏は「(会長)を引き受けた以上は、全力でやりたい。役割としては執行は藤原社長、私は監督責任を果たすことが大事だと心得ている。万事スピーディに運ぶようにしたい」と言葉少なめに語った。
 
 蛭田氏は「皆さんにはお世話になった。汎用品ビジネスの立て直しやR&Dからの新規事業展開など、次期社長に引き継ぐことは多いが、精一杯やってきたつもりだ」とさっぱりした表情だった。2003年から7年間、社長として厳しい時代を引っ張ってきた。


 【新会長・伊藤一郎(いとう いちろう)氏の経歴】
生年月日:1942(昭和17)年7月6日生(満67歳)
出身地:東京都
最終学歴:1966(昭和41)年3月 東京大学経済学部卒
略歴:1966(昭和41)年4月  旭化成工業(現、旭化成)入社
   1997(平成9)年5月   同、カシミロン事業部長
   2000(平成12)年6月  同、経営計画管理部長
   2001(平成13)年6月  旭化成、取締役
   2003(平成15)年2月  同、常務取締役
   2003(平成15)年6月  同、取締役兼専務執行役員
   2006(平成18)年4月  同、取締役兼副社長執行役員
   2010(平成22)年4月  同、代表取締役会長(予定)


【新社長・藤原健嗣(ふじわら たけつぐ)氏の経歴】
生年月日:1947(昭和22)年2月19日生(満62歳)
出身地:愛媛県
最終学歴:1969(昭和44)年3月 京都大学工学部卒
略歴:1969(昭和44)年4月  旭化成工業(現、旭化成)入社
   1998(平成10)年6月  旭シュエーベル代表取締役社長
   2000(平成12)年6月  旭化成、取締役
   2001(平成13)年6月  同、エレクトロニクスカンパニー社長
   2003(平成15)年4月  同、化成品・樹脂カンパニー社長
   2003(平成15)年6月  同、常務執行役員
   2003(平成15)年10月  旭化成ケミカルズ代表取締社長兼社長執行役員
   2009(平成21)年4月  旭化成、副社長執行役員
   2009(平成21)年6月  同、取締役兼副社長執行役員
   2010(平成22)年4月  同、代表取締役社長兼社長執行役員(予定)