2001年04月05日
ポリオレフィンのアジア相場も下降
注目は中国の農ポリ用レジンの輸入枠の行方
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン業界筋によると、化成品ほどではないもののポリオレフィンの相場もアジア地域で軟化が進んでいる。日本や韓国の樹脂メーカーやトレーダー各社が4月納入分として中国を始めとしたアジア地域の需要家各社に提示した価格はいずれも拒否されており、3月よりもさらに低いレベルでの契約を余儀なくされているところもある。
 直近のアジア相場は、L-LDPEとHDPEがともにトン当たりCFR630~650ドル、HP-LDPEが同690~700ドル、PPホモポリマーが同520~530ドル、PPブロックコポリマーが同610~620ドル--となっている。
 これらの樹脂の価格は今年2月末から3月上旬にかけて同40~50ドル幅上がってサプライヤー各社とも胸をなで下ろしていた。それがわずかの間にもとのレベルに戻っているわけ。この背景は、3月上旬の底上げの進展をにらんでの輸出各国のエチレンの増産にあると見られている。これによってプロピレンの需給が一段とルーズになってPPの需給と市況が悪化、そしてそれがポリエチレンの相場の足も引っ張る結果になったというのが関係者の多くの判断である。
 一方、今後がどうなるかについては、中国政府が4~6月期の農ポリ用レジンの輸入特恵枠をどのていどの規模に設定するかが大きなポイントになる見込みだ。いまのところ20万トンていどになるのではないかとの見方が多い。来週中には明確にされる見とおしであり、その結果がポリオレフィン全体の需給と相場に大きく作用していくと見られる。