2001年04月05日
ブタジエンのアジア相場が一段と軟化
米国の景気後退がストレートに影響か
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:ブリヂストン

 大手商社によると、ブタジエンのアジア地域における相場が一段と軟化傾向を強めてきた。
 中国市場を例に取ると、直近のCFR単価はトン当たり430~440ドルとなっている。3月上旬に比べると同60~70ドル安い。2月中・下旬に比較すると同130~140ドルもの大幅下落となる。台湾や韓国の輸入価格もほぼ同じ幅で下がっている。
 こうしたアジア地域におけるブタジエン相場の大幅ダウンの主因は、米国からの中国やアジア諸国へのSBRやBRの輸出引き合いが目だって減少してきていることにあるようだ。これには、米国の一般景気の後退に歩調を合わせて自動車の販売が縮小しつつあることが大きく影響していると見られている。現に、米ブリヂストンやファイアーストーンの稼働率は急速に低下していると伝えられる。警戒されていた米国の景気後退の余波がストレートにアジアの石油化学製品の需給と市況の悪化となって現れてきたといってよく、日本のブタジエンメーカーにとっては極めて深刻な事態ということになる。
 今後よほどの減産措置が講じられないと、一段と厳しい局面を迎えることになりそう。