2001年04月05日 |
旭化成、機能性ABS樹脂のラインアップが拡大、ノンハロ難燃、導電性グレードが順調 |
PC/ABSは今秋からマーケティングを本格化、高耐候性タイプの展開も視野に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:旭化成 |
旭化成のABS樹脂事業は、付加価値の高い機能性グレードのラインアップを拡大している。ノンハロ難燃グレードが家電・OA機器分野に浸透しつつあるほか、導電性グレードも月産100トンを超えるオーダーに成長している。さらに今年度は、PC(ポリカーボネート)/ABSのマーケティングを本格化させるほか、上期中にはAES樹脂を上回る耐候性を実現するABS樹脂の展開も視野に入れている。 同社は、1999年にノンハロ難燃グレード「VN-30」を上市して以来、販売活動に取り組んできたが、ここに来てようやく家電・OA機器のユーザーに評価が浸透しつつある。これまでプリンターなどの分野では、欧州を中心としたノンハロゲンの動きにともなって、主流が従来のABS樹脂の難燃グレードからPC/ABSにシフトしているが、一方でこうしたセットメーカーはコスト削減のニーズも強く、同社のVN-30に注目しはじめているという。このため同社では、今年前年の3倍近い販売を見込んでいる。また、導電性グレードも順調に販売を拡大しており、月産100トンを超えるペースになってきている。 さらに同社は今年、高付加価値製品をさらに追加する。そのうちの一つがPC/ABSで、ノンハロ難燃樹脂の品揃えを強化する。同社は、今年夏にも台湾で奇美実業と進めているPC合弁計画の第1期設備を完成、今秋から試運転に入る見通しだが、これに対応してPC/ABSのマーケティング活動を本格化させる考え。もう一つ上期中に展開を予定しているのが高耐候性グレード。特殊なAS樹脂を用いることにより、AES樹脂を上回る耐候性を実現、住宅分野で塩ビ性窓枠の代替などを目指す。 |