2010年02月02日
Sunoco、ポリプロ事業をブラジルのブラスケムに売却
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

米国の石油会社Sunocoは2月1日、子会社Sunoco ChemicalsのPP事業をブラジルのブラスケムに売却する契約を締結したと発表した。現金350百万ドルでの売却で、必要手続きを得て、3月末までに売却を完了する。

対象プラントはペンシルベニア州Marcus Hook、テキサス州La Porte、ウエストバージニア州Nealにある3つで、合計能力は95万トンで、米国全体のPP能力の約13%を占める。PittsburghにあるR&Dセンターも売却する。
なお、Sunocoは昨年春にテキサス州Bayportの能力18万トンの工場を閉鎖している。

このうち、La PorteとNealは同社が2000年に三菱商事から買収した旧Aristech
Chemical のプラント。
Marcus Hookは元はSunoco とBAR-L のJVの Epsilon Products のプラント。
閉鎖したBayportは2003年にEquistar Chemicals(その後Lyondell と合併、現在はLyondellBasell)から買収したプラント。

Sunoco ChemicalsはPPのほか、フェノール、アセトン、BTX、シクロヘキサン、ビスフェノールAなどを生産しているが、これらは売却しない。フェノール生産では同社は米国1位、世界で2位となっている。

Sunocoは投資に見合う収益を上げられない事業売却により、売却資金を戦略分野に投資するとしている。
今回の売却で2億ドル弱の損失を計上する。

Sunocoは独立系では最大の精油メーカーで、精油能力は日量675千バレル。ほかに、米国で年産367万トンの製鉄用コークス設備を持ち、ブラジルにも170万トンのコークス設備を持っている。

ブラスケムは、この買収は世界最大の市場での今後の成長の基地となり、メキシコ、ベネズエラ、ペルーでの新規計画と合わせグローバリゼーション戦略を補完するものになるとしている。

既報のとおり、ブラスケムはこのたび、ペトロブラスの石油化学部門と統合、PP能力を197万トンとしている。
(PEは304万トン、PVCは51万トン)

 既報  http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=28254