2001年04月04日
PC、米国の景気悪化で米国品がアジアに流入
アジア市況の改善が遅れる可能性も
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PC(ポリカーボネート)は、米国の景気悪化にともなって、北米市場の需給が緩んでおり、余剰となった玉がアジア市場に流入し始めており、アジア市況に影響が出ているもようだ。
 PCのうち、ディスクグレードのアジア市況は、昨年3月のトン当たり3,800~4,000ドルをピークに下落、昨年末から今年にかけては台湾のディスクメーカーが経営難から原料を香港に持ち込んだことなどからさらに悪化しており、現在は香港で2,800ドル弱、台湾では2,600ドル前後まで下がっている。これに対し一般グレードは、この間3,000ドル前後で推移してきたため、現在はディスクグレードと一般グレードの価格が逆転している状態にある。
 さらに、欧州の景気は堅調であるものの、ここに来て米国の景気の悪化が顕著となっており、需要が減退、北米市場の需給バランスが軟化しているのが現状で、同国に生産拠点のある大手メーカーもかなりの量をアジア市場に持ち込んでいると見られている。
 世界の光磁気ディスク生産基地である台湾では、今後もディスクメーカーの再編が進み、メーカー数はピーク時の30社前後から、3分の1近くまで減少すると見通しだが、ディスクの生産設備が減少する可能性はほとんどないと見られており、ディスクグレードの採算は厳しい見通しだ。日本のPCメーカーの中には、「ディスクグレード市況はやや改善するとは思うが、少なくとも年内は大きく上昇する可能性は低い」「当面はできるだけディスクグレードの販売を抑え、一般グレードの拡販に注力するしかない」といった声も聞かれる。