2010年02月22日 |
シノペック、河南省で2つのMTO計画 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:SINOPEC |
(上海発=特約) シノペックと河南省はこのほど、河南省鶴壁市で年産180万トンのメタノールと60万トンのオレフィンを製造する計画の覚書を締結した。 シノペックと河南煤業化工集団(HNCC)が実施するもので、石炭採掘から、メタノール合成、MTO(メタノールからオレフィン製造)、誘導品製造を統合する。初期段階ではHNCCが石炭採掘関連、シノペックがメタノール、MTO、誘導品を担当し、河南省の関連部局が必要書類を準備する。政府への申請書類は6月までに準備する。 また、シノペックは子会社の中原石油化学の河南省濮陽市でのオレフィン多角化計画を承認した。シノペックが開発したMTO技術(SMTO法)を使用し、年産60万トンのメタノールと20万トンのオレフィンを製造するもので、更に、既存のPEを26万トンに増強し、新たに10万トンのPPを新設する。 同社は現在、18万トンのエチレンクラッカーと、20万トンのエチレン、6万トンのPP、5万トンのブタジエン、10万トンのBTXを持っている。 シノペックでは河南省でこれら2つの計画のうち、先ず中原石油化学で20万トンの実証MTOプラントを建設し、その後で鶴壁市で60万トンプラントを建設する模様。 コンサルタント会社のASIACHEMによれば、既存の30万トン未満のナフサクラッカーは競争力を失っており、中原石油化学のオレフィンソース変更計画は鶴壁市での60万トンMTO計画の実証プラントとして意味があるだけでなく、既存の誘導品プラントや流通チャネルの利用で投資を減らすことが出来る利点も持つ。 シノペックはSMTO法技術を開発し、2007年に北京燕山石化に日産100トンのパイロットプラントを建設した。 2008年には年産180万トン(メタノール180万トン、オレフィン60万トン)のSMTOプラントのプロセスパッケージをつくった。 SMTOを180万トンまで拡大する技術を確立したとしている。 鶴壁市、濮陽市はともに河南省北部の中国の7つの石炭化学基地の1つにあり、江蘇・山東・安徽省に接している。 石炭と水が豊富で、シノペックにとって石炭化学計画を展開するのに最適の地域である。 |