2001年04月02日
フラットヤーンの生産企業、わずか15社に縮小
輸入品の増大で平成元年の半分以下に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン製フラットヤーン業界の間で生産活動を停止する企業が相次いでいる。日本フラットヤーン工業組合加盟の同製品メーカーは昭和50年代に入って40社に達し生産活動もきわめて活発であった。それが平成元年には34社に減り、そして今年3月末にはついに15社を数えるのみとなった。
 昨年までの数年の同製品分野からの撤退社数は4社、3社、2社、3社、3社と推移している。うち12年9月末にはセンシン工業、日本製袋、福永織物ー--の3社が撤退、そして昨年春以降生産を停止していたシコーも今年3月末日に同工業組合を脱会した。
 こうした相次ぐ撤退は、安価な輸入品の増大が大きく影響してのものと見られている。同製品の輸入比率、つまり国内における総流通数量に占める輸入品の割合は、平成6年に38%であったのが10年には50%に達し、そして11年は54%に、12年は55%に拡大している。この間も輸入比率は43%、47%、49%--といったように一貫して膨張している。
 これには、人件費がうんと安い中国からの流入量が急速に増えていることが大きく作用していると言ってよい。また、この間にわが国の原料レジン価格が繰り返し引き上げられたことも少なからず影響していよう。
 今後もなお中国などアジア諸国はわが国に積極的に同製品を売り込む構えにあるだけに、加工業界の立場は引続き厳しいものとなりそうだ。