2010年03月03日
ダウ、スチレン系事業を売却 ポリカーボネート、合成ゴム事業も手放す
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:ダウケミカル

ダウは3月2日、スタイロン事業を Bain Capital Partnersに16.3億ドルで売却する契約を締結したと発表した。ポリカーボネートや合成ゴムも含まれる。
4月までに完了する予定で、ダウはこの事業に15%まで出資するオプションを持つ。

売却事業は2009年に35億ドルの売り上げがあり、世界各地に40以上の工場を持ち、従業員は約1900人。
含まれる製品は以下の通り。
 PS、ABS、SAN、EPS、
 エマルジョンポリマー
 PC、PCコンパウンド
 合成ゴム
 自動車用プラスチック
 スチレンモノマー

同社は2007年に Chevron PhillipsとのSM/PSの50/50JV、Americas Styrenicsを設立し、米国と南米のPS工場を拠出したが、この持分も売却対象に含まれる。

ダウはロームアンドハース買収のための借入金返済のため、多くの事業を売却してきた。

ダウは昨年7月にスチレン系事業の売却のため、売却対象の事業をまとめ、Styron,Inc と称する子会社にする考えを明らかにした。
これに対して、 Bain Capital、TPG Capital LP、Apollo Management LP、Rhoneなどの投資会社が手を挙げた。
報道によると、韓国のロッテグループもこれに関心を示した。

ダウは1月11日に、買い手候補をしぼるため、各社に買収の意向の確認を求め、その結果、候補先にdue diligence のために資料を開示した。

なお、BASFも2007年7月、スチレン事業の「戦略的な選択肢」を検討していることを発表した。
売却対象は、SM、PS、ABS、SBS (スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)と、それらのコポリマー。


その後、売却準備を続けたが、全くまとまらなかった。
しかし、ここにきて状況が変わってきた。投資会社に事業買収の動きが出てきており、ダウと同様に、近く売却がまとまる可能性がある。