2010年03月05日 |
バイオ燃料検討会・中間報告「エネルギー自給率、50%以上確保を」 |
【カテゴリー】:行政/団体(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:環境省、経済産業省、農林水産省 |
経産省は農水、環境両省と連携し、バイオ燃料導入のための基準づくりを急いでいるが、5日、専門家や有識者で構成する検討会(座長、横山伸也・東京大学院教授、委員11人)がまとめた中間報告内容を発表した。報告書はこの中で「日本はエネルギーセキュリティの観点からも高い自給率を目指すべきだ。50%以上を確保することが一つの方向性だ」と強調した。 バイオ燃料とは、サトウキビやトウモロコシ由来のバイオエタノール等の非化石燃料のことで、京都議定書では 「カーボンニュートラル」として扱われており、世界的に導入が進んでいる。 一方ではLCA(Life Cycle Assessment)での実際のCO2削減効果や食料との競合、生態系の破壊、供給安定性といった問題が指摘されている。報告内容のポイントは以下の通り。 <LCAでのCO2 削減効果> ・ガソリンのCO2排出量と比較して、LCAのCO2削減水準が50%以上あるのは、ブラジル産の既存農地のサトウキビ、国産の一部(てん菜、建築廃材)のみだった。 ・LCAのCO2削減水準について、EU50%削減(2017年以降)、英国50%削減(2010年以降)と設定していることを踏ませ、わが国としてもLCAのCO2削減水準として、50%を設定することが一つの方向性である。 <エネルギーとしての供給安定性> ・EU並みのCO2削減水準50%以上を満たすバイオ燃料でわが国が調達可能なものは、現時点ではブラジルの既存農地分と一部の国産に限定される。ブラジル産の既存農地分の輸出拡大には相当の限界(原油換算20万kl)がある。国産については2020年に原油換算40万klの増産が可能との試算がある(農水省試算) ・エネルギーセキュリティの観点から、高い自給率を目指すことが必要である。(現在日本は3%のみだが、米国は99%、EUは60%)。国産およびアジア域等での開発輸入で50%以上を確保することが一つの方向性だ。 <食料競合等への対応> ・食料競合については、関係省庁が連携して、バイオ燃料導入による影響を注視し、原因分析と対処法」を検討していくことが必要である。また草や木のセルロースから製造するバイオ燃料の技術開発・展開が重要となる。 |