2010年03月08日
急発展する福建省アモイの新工業地区、ドイツ系企業も
【カテゴリー】:海外
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福建省南部に位置する経済特区の一つ、アモイは島内に商業区、島外に新工業団地(翔安区火炬高新区)を建設し、商業と産業地を分離し発展させる計画を進めている。5月には連絡橋、高速バス専用道路など全計画が完了する。

同工業団地は主に対岸の台湾資本の進出によって経済発展してきたが、ドイツ企業との合弁会社(50対50)の活躍も話題になっており、すでに年間売り上げは15億円に達している。

同社はスタートして5年になるが、変電設備の設計から生産までを担当、製品を高速道路網、空港、港湾などの公共事業や病院、企業などに需要を広げている。新工業団地はハイテクパークであり、所得税などの優遇措置を受けている。

また、同社に全プレス品を納入している現地加工企業も成長を続けている。この現地企業は03年に社員4名でスタート、ドイツ系企業との連携で現在は社員130名を抱える中堅企業に発展した。毎年給与を20%も引き上げている。

品質レベルと生産の効率化、量産化をはかり、国内の変電設備向けを開拓した結果、今では国内70%、輸出30%の比率になっているという。営業の現状からみて増設の検討にも迫られているようだ。

加えて金型製造とプラスチック成型品の量産で業績を伸ばしている企業もある。
この会社は1995年に設立、日系自動車メーカー向けの業務を開始した。すでに製品の72%を欧州向けに輸出している。日本の最新成型機40台(50ー1,000トン)を所有。従業員は約200名。IT関連部品や医療用精密部品などの生産も続けている。

アモイは人口250万人の都市。1980年ごろは30万人だった。1980年に輸出振興を目指して、広東省の深せん、珠海、スワ頭と福建省アモイの4地区が中国政府から経済特区として認められた。今後も成長は続くとみられている。

この成長に対し広東省は80万人の人不足が見込まれている。アモイについてもこうした状況が出始めているとの指摘もある。農民の優遇措置(無税)がこのような現象を生んでいるとされるが、ワーカーの不足は大きな問題でもあろう。

■スワ頭(すわとう)のスワは、サンズイへんに山