2001年04月02日
三井化学、PDP光学フィルターを企業化、今月から世界市場で営業拡大
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は2日、事業部制SBDU(戦略的事業単位)として開発を進めてきたPDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)光学フィルターを企業化する、と発表した。
 同社は昨年、事業部SBDUとしてPDP光学フィルター開発グループを発足、デジタル時代の大型平面ディスプレイであるPDPに用いられる光学フィルターの市場開発に取り組んできた。この結果、国内外の有力PDPセットメーカーへの採用が進んでおり、今後市場の大きな成長が見込めると判断、企業化を決定したもの。
 PDP光学フィルターは、PDPの発光モジュールの全面に取り付けられ、モジュールの保護のほか、モジュールから発生する電磁波や近赤外線の遮蔽、色再現性・コントラストなど画質を向上させる、といった様々な機能がある。
 同社のPDP光学フィルターは、多層スパッタリングにより製造される透明導電フィルムに、独自の機能性色素を組み合わせて製造する。高い光線透過率を保ちつつ、優れた電磁シールド能を有し、独自開発の光学設計技術を活かしてユーザーの様々な要求に対応できる体制を整えている。すでにフィルターの組立についても、月産2万枚の専用設備を備えている。4月からは、PDP光学フィルターを製品として上市、世界市場を対象に営業活動を拡大していく。
 三井化学は、PDP光学フィルターをはじめとする表示材料をコア事業(電子回路材料事業)の一環に位置付けており、今後も先発メーカーとしての優位性を活かしつつ、拡大するPDP市場のニーズに対応しながら、事業の強化を図っていく方針。