2010年03月12日
日本化学会、26日から開催の「第90春季年会」で産学連携の成果発表
「化学遺産認定制度」創設、第1回認定はグルタミン酸ナトリウムなど6件
【カテゴリー】:新製品/新技術(行政/団体)
【関連企業・団体】:日本化学会

日本化学会は12日、「日本化学会第90春季年会」を26日から29日までの4日間、東大阪市の近畿大学本部キャンパスで開催し、研究成果などを発表するとともに「化学遺産認定制度」の創設を公表すると発表した。

とくに今回は、産学交流について「アドバンスト・テクノロジー・プログラム」(ATP)の中で、214件と多くの産学連携成果を発表するのが特徴となっている。

ATPの中で発表される研究成果では、転移性悪性腫瘍の早期発見につながる検出デバイスを開発した「全血からの循環腫瘍細胞高効率検出デバイスの開発」、炭素と窒素を用いて太陽光と水から水素を作り出す「可視光応答型水分解光触媒としてのカーボンナイトライトに関する研究」、超薄い有機—シリコンハイブリッドシートで新たな未来を切り拓く「単層有機シリコンナノシートの合成と光物性」−などが発表される予定である。

さらに、これまで化学品の生産にかかわった製造装置や建物など、化学の発展を支えた有形の対象物を「化学遺産」として認定し、後世にわたって伝える化学遺産認定事業を創設する。
今回は、グルタミン酸ナトリウム製法、ルブラン法炭酸ソーダ製法など6件を第1回化学遺産として認定し、27日に認定証贈呈を行う。