2010年03月19日
昭和電工、大分にカーボンナノチューブ 年産400トン大型プラント竣工
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:昭和電工
「VGCF-X」設備

昭和電工は、大分コンビナートに建設中だった世界最大のカーボンナノチューブ製造プラントが完成し、19日竣工した。所要資金数十億円で樹脂複合材用カーボンナノチューブ「VGCF-X」年産400トン設備を建設していた。4月から量産開始する。

カーボンナノチューブの生産拠点としては、川崎事業所に続く2拠点目となるが、大分では既存ユーティリティー設備を活用するため、高いコスト競争力を持つ。

「VGCF-X」は、カーボンナノチューブとして特に導電性能と分散性に優れ、少量の添加で樹脂に高い帯電防止性能を付与することができる。このため電子部品工場のクリーンルームで使用される搬送器具などの材料樹脂に添加し、静電気の発生を抑える。

同社は1996年、信州大学・遠藤守信教授の指導で世界初となるカーボンナノチューブ「VGCF」量産設備を川崎事業所内に完成した。同製品は主にリチウムイオン電池の耐久性向上用の添加剤として使用されており、当初の年産能力20トンを2007年には同100トンに増強するなど販売は好調。

また08年には複合材用グレードの「VGCF-S」を用いた「石油資源探査・採掘用超高性能複合ゴム」を開発するなど、新たな用途開発にも積極的に取り組んでいる。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1268973995.doc