2010年03月25日
独BASF、生分解性プラスチックで日本市場の巻き返し方針
【カテゴリー】:新製品/新技術(環境/安全)
【関連企業・団体】:BASF

 独BASFスペシャリティプラスチック部門のダニエル・ロー・アジア太平洋地域シニアマネージャーは25日、同社の生分解性プラスチック事業について記者会見し、「日本市場はBASFにとって、2008年までアジアでナンバーワンを占めていたが、昨年オーストラリアが1位になった。しかし、日本は有望な市場であり、今後市場拡大に取り組む」とし、日本市場での巻き返しを図る方針を示した。

 BASFは、生分解性プラスチック「エコフレックス」、ポリ乳酸とのコンパウンド材料である「エコバイオ」を事業化しており、ドイツをはじめ欧州やアジアでは、堆肥化用途の広がりにより包装用フィルム分野で市場拡大を図っている。日本市場では、農業用マルチフィルム分野が中心であり、本拠地で得意とするショッピングバッグやコンポストバックなどのフィルム分野の市場開拓は今後の課題となっている。今後、この分野での市場拡大を図る方針である。

 また、生分解性プラスチックの大きな課題でとなっている「通常のプラスチックとの価格差」については、「生産能力との比較等の問題もあり、生分解性プラスチックは当然コスト高になる。しかし、環境への負荷を考慮するなど全体を考える必要がある」とし、生産コストだけで比較すべきでないと指摘した。