2001年03月30日
樹脂の対中国輸出、PVC以外が縮小へ
過去2ヵ月の拡大でユーザー在庫が過大に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の中国向け輸出(香港向けを含む)が再び縮小傾向を示し始めた。2月の輸出通関数量は塩ビ樹脂を除いて軒並み前年同月を下回っており、大手商社によると、続く3月も、船積み、商談ともに低調という。
 この要因については、昨年12月と今年1月の2ヵ月にわたってわが国や韓国などの主要対中輸出国から活発な船積みが行われたことによって中国国内の農ポリメーカーをはじめとした需要家の間に必要以上の在庫が蓄積されたことが大きいと指摘する向きが多い。
 うち、2月のわが国の輸出通関実績のなかでは、LDPEの縮小幅の大きさが特に目立つ。農ポリ用品種の在庫が過剰になったせいと見られている。また、工業部品が主用途であるPPとPSも前年を大幅に下回っている。こうした傾向に合わせてポリオレフィンの価格も軟化しつつある。HP-LDPEも3月中旬以降はCFRトン当たり700ドルの大台を割り込んでいる。
 汎用各樹脂の2月の中国向け輸出通関数量は次の通り。かっこ内は前年同月比。
 【LDPE】    1万2,526トン( 70.5%)
 【HDPE】    1万3,823トン( 99.7%)
 【PPホモポリマー】1万2,340トン( 86.0%)
 【PPコ・ポリマー】  3,007トン( 72.8%)
 【PP計】     1万5,347トン( 83.0%)
 【PS】      1万5,339トン( 87.4%)
 【PVC】     5万1,856トン(111.9%)