2010年04月05日 |
プライムポリマー、宇部地区ポリプロ 9万トン設備を停止 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:プライムポリマー |
ポリプロ大手のプライムポリマー(本社:東京都港区、大多和保彦社長)は5日、連結子会社である宇部ポリプロ有限会社のポリプロ製造設備(年産能力9万トン)を2011年3月末に停止し、12年3月をめどに同社を清算することを決めたと発表した。 宇部ポリプロは1990年、宇部興産、住友化学、徳山曹達(現トクヤマ)、ユニオンポリマー4社の共同出資で設立した宇部ポリプロ株式会社が前身。95年には三井化学と宇部興産両社によるグランドポリマーと変わり、01年には宇部興産が撤退。その後はプライムポリマー100出資の有限会社に改組し生産部門を担ってきた。 わが国ポリプロ業界はこのところ変遷が激しく、07年には浮島ポリプロが撤退(サンアロマーに設備譲渡)して、メーカーは現在6社、設備能力は合わせて年産310万6000トン。これに対して生産量は07年の308万トンをピークに下降線を描き、世界同時不況の影響を受けた09年は288万トン、経産省化学課によると2010年は267万トンとさらに減少が見込まれている。 中国をはじめとするアジア・中東新興国の間では、石油化学大型プラントの新増設計画が相次いでおり、今後も国際競争の激化が予想される。宇部ポリプロの場合は、プラント規模や原料事情などからみて競争力に限界があるとされていた。 宇部ポリプロの清算後、設備はスクラップし、工場用地は宇部興産に返却する。従業員55人は出向元の三井化学と宇部興産がそれぞれ引き取る。 <参考> 【わが国ポリプロピレン各社の生産能力】単位:千トン(2007年12月末現在=経産省・化学課調べ) ◇宇部ポリプロ 90 ◇サンアロマー 347 ◇住友化学 316 ◇徳山ポリプロ 200 ◇日本ポリプロ 1,082 ◇プライムポリマー 1,071 (合計) 3,106 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1270449872.pdf |