2010年04月06日
丸紅、インドに台湾メーカーとSBR製造販売会社
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:丸紅

丸紅は、インドの国営石油会社、Indian Oil Corporation Limited(IOCL)および台湾の合成ゴムメーカーTSRC Corporationと3社共同で、インド国内にスチレンブタジエンゴム(SBR)の製造販売を行う合弁会社を設立する。5日合弁契約書を締結したと発表した。SBR年産10万トン工場を総工費約2億ドルをかけて建設する。2012年操業開始の見込み。

SBRは、弾性や機械的強度、耐摩耗性などに優れ、タイヤ製造に不可欠な原料の一つ。自動車産業が急成長しつつあるインドでは今後さらに大きな需要の伸びが見込まれている。

IOCLはインドの国営石油会社で、国内8カ所に製油所をもち、石化事業の拡大を進めている。デリー市郊外のハリアナ州パニパットに建設中のナフサクラッカー(エチレン年産80万トン能力)が近く稼働を開始する予定。同クラッカーから副生されるブタジエンを原料にSBRを生産する。

TSRCは台湾の合成ゴムメーカーで、丸紅とは中国・タイですでに合弁事業を行っている。

中国では江蘇省南通市に丸紅と共同で Shen Hua Chemical Industrial Company (申華化学)を設立。SBRの生産規模は年産170千トン。

タイでは宇部興産中心のブタジエン製造販売会社 Thai Synthetic Rubbersに参加(出資比率:宇部興産73.1%、TSRC13%、丸紅13%、地元企業0.9%)している。ラヨン県にBR工場があり、先に年産50千トンから72千トンに拡大。

丸紅は、IOCLの新鋭クラッカー工場隣接地にSBRプラントを建設し、TSRC技術でSBRを生産、現在全量輸入に頼っているインド国内のSBR需要を満たす。

インドの自動車販売台数は2008年約2百万台。年率10%以上のペースで伸びており、今後数年で倍増して米国、中国、日本に次ぐ世界第4位の市場となるとみられている。

【合弁会社の概要】
◇会社名 :Indian Synthetic Rubber Limited(予定)
◇所在地 :インド ハリヤナ州パニパット
◇総投資額 :約2億米ドル(予定)
◇株主構成 :IOCL 50%、TSRC 30%、丸紅20%
◇稼働予定 :2012年(予定)