2010年04月12日
「南通経済開発区」さらに拡大へ 蘇通長江大橋完成で急発展
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江蘇省の南通市から上海市までの長江をまたぐ蘇通長江大橋の完成(08年5月)で急発展している南通経済技術開発区(国家級、NETDA)が9日、東京で投資セミナーを開き、同区の整備事業の完成状況と次の拡大計画を説明した。

蘇通大橋によって南通市と上海市紅橋間は、車で1時間(従来は3-4時間)の距離となった。浦東国際空港までは約1.5時間。南京まで240キロ。GDPが07年から08-09年までに各年9%%上昇した。大橋の交通量は設計の1日7万台に対し5万台を超えているという。

市は1981年、衣料を中心にスタートし、化学、バイオ、新エネルギー、電気、造船、アウトソーシングを手掛けてきた。現在はサービス業、物流業、港湾にも力を入れている。

開発区の長江国際化学新素材工業園区は総面積3万平方キロ。日系では旭化成、ポリプラスチックス、呉羽化学、三菱レイヨン、DIC、三洋化成、丸紅などが進出している。

面積2.3平方キロの大埠頭と貯蔵タンクの工業区には、食用油、飼料、新型建築材料、環境対応製品などの事業が置かれている。面積12平方キロの工業区には船舶装備、港湾機械、化学新素材、自動車部品、船舶修理など。

化学新素材工業園には王子製紙、荒川化学、住友ベークライト、旭有機材、GE東芝有機シリコン、宇部興産などが参加した。造船は07年に350万トンの積載量を生産し上海、大連に次ぐ全国第3位となった。

面積12平方キロの光機電工業団地には日立電線(光ファイバー)、太陽電子(コンデンサー)、富士通などが出ている。開発区の総面積はこれまでに50平方キロを整備した。今後の計画としては147平方キロまで拡充する予定。

開発区のほかに蘇州シンガポール園区と合作の蘇通科技産業園(面積50平方キロ)、インテル社との共同企画の電子工業園、海洋工程船舶設備製造園、物流保税機能が加わる輸出加工区などが配置されている。

南通市の行政面積は8,001平方キロ、総人口763万人(市区人口211万人、流動人口63万人)。1人当たりGDP約5,889ドル。中国社会科学院から多国籍企業の中で最も投資潜在力のある都市と評価された。崇川、通州など4つの区と如東、啓東、海門など5つの区を管轄している。

開発区党工委書記の陳徳新氏は「市は約束を守ることで進出企業の信頼を得ている。昨年から25%に引き上げられた所得税は8%を省に収めるが、残りは企業に還元している」と優遇措置を示す。従業員の給与は月3,000元強、工場の賃貸料は月1平方メートル当たり12-13元。
問い合わせは国貿促(Tel:03-6740-8271)