2010年04月12日
中国で風力発電計画が乱立、「コア技術不足・知財保護」問題も
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

中国では風力発電計画が地方政府によって、集中豪雨的に進められているが、イメージ先行の現状を懸念する声が出始めている。すでに80社以上の完成機メーカーがあり、出力1,000万キロワット級の風力発電拠点が7か所以上も名乗り出ている状況。

とくに問題とされているのは、完成機メーカーといっても、コア技術は海外からの輸入機に頼り、国内の自然環境を考慮していないうえ、知的財産権の保護・管理面での対応が遅れている点などにあるという。政府は過剰設備を問題視して対策を打ち出しているが、電力の品質安定などにも問題が出ている。

品質の問題では、どの企業の設備が長期(20年)安定運転に耐えられるのか、判定の基準さえできていないとされる。また、発電した電力と送電網のバランスにも問題があるという。送電設備の建設の遅れが指摘されているわけであ
る。

同国の風力発電計画は事業化の競争が先行した。発電計画をたて、いきなり米国に株式上場するという場面も見られた。ここ数年、中国で爆発的な拡大を遂げた風力発電は小型のものが多く1,000万キロワット級は09年8月に甘粛省で着工されたものが第一号である。

最近では中国の風力発電は地方の交通の不便なところでは、小容量・分散型の発電に適した計画を進める一方で、大規模ウインドファームを建設するような大小の均衡のとれた発電所の開発が望まれ始めている。いずれにしても過剰問題の解決が先決といえる。