2010年04月20日
旭化成エレク、携帯用「3軸電子コンパス」の小型化を実現 新製品発売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成エレクトロニクス
携帯機器用3軸電子コンパス「AK8975B」

旭化成エレクトロニクス(AKM)は20日、携帯機器用3軸電子コンパスの新製品「AK8975B」を発売したと発表した。
同社は2003年に世界初の携帯機器用3軸電子コンパスの量産を開始して以来、これまでに80モデルを超える機種に同製品が採用されてきた。3軸タイプのため、傾斜による方位のずれを自動的に補正することができるなどの特徴から、世界的にシェアを伸ばしてきた。今回はさらに従来製品と比べて半分以下という小型化を実現した。

主な用途としては携帯電話や携帯情報端末のほか、インターネット上の情報を表示するアプリケーションなどの分野に展開したいとしている。

<新製品の特徴>
(1) 3 軸の磁気センサをシリコンモノリシックホール素子(注1)と磁気収束板(注2)を使って実現する、独自の1チップ電子コンパスアーキテクチャ(注3)を踏襲した。
(2) 1チップの3軸電子コンパスであることを活かし、現行品と比べても半分以下というサイズの小型化を実現した。
現在の主力製品である「AK8973」シリーズには、ボール実装型の「AK8973B」と低背型の「AK8973S」と2種類のパッケージオプションがあるが、新製品には両者の長所を融合したパッケージ設計を行い1種類に統一した。
(3) 登録特許技術である「磁気オフセットの自動調整機能」など、各種ソフトウエア資産の互換性を継承した。

同社はサンプル価格500円で出荷を開始した。

■用語の解説
(注1) シリコンモノリシックホール素子 :磁気を検知するホール素子と、その信号処理回路を、1 チップの中に作りこむ方法。従来は、化合物半導体で別に製造したホール素子を、X ,Y, Z の3軸方向に組み立て、さらに集積回路とパッケージ内部で接続するマルチチップモジュール法で作成していた。
(注2) 磁気収束板 :磁気を形成する磁力線の通りやすい磁性材料のこと。I C 表面におき、磁力線の向きを変える働きをさせ、電子コンパスに必要なX ,Y, Z の3 軸磁気成分を取得する。
(注3)アーキテクチャ:基本設計、基本構成のこと。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1271750436.pdf