2010年04月22日
新日鐵化学、屈折率、透明性に優れた新規UV・熱硬化性樹脂材料を開発・上市
【カテゴリー】:新製品/新技術(経営)
【関連企業・団体】:新日鐵化学

新日鐵化学は22日、豊富な芳香族原料と特殊重合技術によって、幅広い屈折率適応性と低吸湿性、優れた耐熱性、透明性をもつUV・熱硬化性樹脂材料「エスドリマー」(商品名)シリーズを開発・上市したと発表した。

本年10月本格量産化に入るが、光学・ディスプレイ材料事業の主力商品としていく方針で、積極的にサンプルワークを展開する。5年後の売上30億円をめざす。

「エスドリマー」シリーズは、特殊な精密重合技術によってデンドリマー状の多分岐構造(注)を付与した、多官能で、可溶性の反応性ポリマーを主成分としており、耐熱レンズ市場、機能性フィルム市場、ハードコート市場、機能性接着剤市場など、幅広い分野で顧客ニーズに対応できる。

■技術の特長
(1)多官能モノマーから直接、構造が精密に制御(多分岐構造)された可溶性の反応性オリゴマーを合成する精密重合技術。
(2)多様な先端応用分野の要求特性に適合した材料開発を可能にする高度な分子設計技術である。

■具体的な仕様
(1)屈折率 :1.50〜1.63(将来的には1.65)。硫黄及びハロゲンフリーの硬化性樹脂では最高レベル
(2)耐熱性 :Tgレス
(3)全光線透過率 :90%以上
(4)飽和吸水率 :0.25%(アクリレート系の半分以下)
(5)塗膜硬度 :鉛筆硬度で4H〜6H(PMMA 基材)
(6)製品は無色透明な1液性UV
(7)基本的に無溶剤系(溶剤系も適用可)
(8)ハロゲンフリーを実現

<用語の解説>
(注)デンドリマー:高度に構造制御された多分岐構造を持つ樹木状高分子。ギリシャ語で樹木を意味する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1271908561.pdf