2010年04月26日
中国のMEG能力、400万トンに
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:SINOPEC

(上海発=特約)

既報の通り、4月20日にシノペック鎮海煉油化工の年産100万トンのエチレンコンプレックスが浙江省寧波市の鎮海地区で稼動したが、年産65万トンのEO/MEGもオンスペックとなった。

既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=28853

これはダウ技術によるエチレン誘導品であるが、中国ではこれとは別に石炭を原料とするCoal-to-MEGプロセスも盛んである。
既報の通り、通遼GEM Chemical が2007年8月に内蒙古の通遼経済開発地域で20万トンのプラントの建設を開始した。その後計画を変更し、MEG 15万トンとシュウ酸(MEGを酸化して生産)10万トンとしたが、昨年末に完成した。(現在手直し中で、5月に商業生産を開始する。)

河南煤業化工集団 (HNCC)は通遼GEM Chemical の技術を使用し、5工場、合計能力100万トンを建設中である。

既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=28784

シノペック鎮海煉油化工のプラントのスタートにより、中国のMEGの生産能力は400万トンに達した。
シノペック鎮海煉油化工のプラントが最大で、他に大手ではシノペック上海石化、シノペック揚子石化、シノペック・SABIC石化などがある。

中国の2009年のMEGの輸入は580万トンだが、消費は2012年には1050万トンを超えると予想されている。

中国のMEGメーカー大手の能力は以下の通り。(2010年4月時点、千トン)
 シノペック鎮海煉油化工(浙江省寧波市) 650
 シノペック上海石化(上海市) 610
 シノペック揚子石化(江蘇省南京市) 450
 シノペック・SABIC石化(天津市) 420
 中海シェル石化(広東省恵州市) 320
 シノペック燕山石化(北京市) 300
 BASF-YPC(江蘇省南京市) 300
 ペトロチャイナ遼陽石化(遼寧省遼陽市) 200
 シノペック茂名石化(広東省茂名市) 200
 遼寧華錦グループ(盤錦エチレン:遼寧省金州市) 200
 ペトロチャイナ吉林石化(吉林省吉林市) 160
 通遼GEM Chemical(内蒙古自治区通遼市) 150
  (ソース:ASIACHEM Consulting)

このうち、Coal-to-MEGプロセスで完成しているのは通遼GEM Chemicalのものだけだが、河南煤業化工集団の5工場、合計100万トンのほか、他にも計画が続出している。