2001年03月28日
日本のバイエル、2000年業績は売上高12%増の2,230億円と過去最高
ライフサイエンスとエレクトロニクス関連が好調、2001年も10%増収を見込む
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:バイエル

 日本のバイエルは28日記者会見し、2000年グループ業績は売上高が前年比12%増の2,230億円と過去最高を記録、営業利益も223億円と40%の増加を記録した、と発表した。
 在日バイエルグループ代表でバイエル株式会社社長のクヌート・クレデーン氏は、「2000年は大変好調な年であった。特にライフサイエンスとエレクトロニクス関連の売上が大幅に増加した。また、営業利益も増加し、売上高営業利益率は10%となったが、これは利益率の高い医療用医薬品を有するヘルスケア事業部門の貢献と、1999年に実施した大幅な人員削減による業務効率化の促進が大きく影響した」と語った。
 売上高を部門別に見ると、ヘルスケアは1,020億円と前年比8%増加した。2000年に発売したアレルギー性鼻炎治療薬や重症感染症治療薬、また主要製品である高血圧・狭心症治療薬、高コレステロール血症治療薬などが大きく売上を伸ばした。このほかアスピリンが昨年9月に日本で脳卒中、心筋梗塞を予防する抗血小板剤バイアスピリンとして承認、今年1月から販売を開始した。また、診断約事業は、市場全体が落ち込んだものの、前年並みの売上を記録した。
 農業関連製品は、国内市場の冷え込みにもかかわらず、前年比3%増の280億円を記録した。農薬ではアドマイヤーを含む主要製品が前年を上回ったほか、動物用薬品も売上高が好転した。畜産薬は、同社初の水産用経口剤の発売もあり売上を伸ばしたほか、2000年半ばに日本で口蹄疫が発生したことにより消毒剤の需要も好調に推移した。
 高分子材料の売上高は、510億円と前年比12%増加した。特に樹脂事業は、PC(ポリカーボネート)が好調だったほか、昨年6月に設立した合弁会社ディーアイシー バイエル ポリマーの売上も加えると、倍増した。また、ゴムはブチルゴムの好調や、安定した需要および価格の引き上げにより堅調に推移、塗料・着色材も好調を持続した。ただし、ポリウレタンは輸出減少にともなって前年をやや下回った。
 化学品は、37%増の420億円と大幅に増加した。特にタンタル粉末を手がけるH.C.スタルクは、携帯電話やノートパソコン向けの需要急増により64%の増収と、史上最高を記録した。また、基礎・精密化学品も順調で、導電性ポリマーがIT関連のツールメーカーに対し、認識を広めた。このほかスペシャリティ事業も増収、ハーマンアンドライマーも微増収となった。
 2001年の見通しについてクレデーン代表は、「バイエルは2001年も更なる成長を目指しており、4事業部門全てで事業規模の拡大を見込んでいるほか、提携や合弁、事業取得を含め、ビジネスチャンスを追及する。売上は全体で前年比10%増を目指している。個別では、ヘルスケア10%増、ポリマー10%増、化学品15~20%増、スペシャリティケミカル5%増、エレクトロニクス関連も平均以上の伸びを目標としている」と語った。