2010年05月11日
昭和電工、ベトナムに磁石合金用レアアース原料工場竣工
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:昭和電工
昭和電工レアアースベトナム

昭和電工は11日、ベトナムに建設していた磁石合金用レアアース原料工場が竣工したと発表した。2008年10月に設立した「昭和電工レアアースベトナム有限会社」が工場を建設していた。

竣工したのは、高性能ネオジム系磁石合金の原料となるジジムメタル(ネオジム(*1)とプラセオジム(*2)を主成分とする合金)およびジスプロシウムメタル(*2)で、年産能力は計800トン。

ネオジム系磁石は、強力な磁力特性を持ち、ハードディスクドライブなどのエレクトロニクス製品や自動車に使われるほか、今後はハイブリッド車や電気自動車、風力発電、省エネ家電製品向けにも市場の拡大が見込まれている。

一方、ネオジムなどのレアアース原料は、供給の大部分を中国に依存。世界的な需要増加に対応するためにも、安定調達やリサイクル体制の構築が求められていた。

昭電は現在、秩父事業所に年産5,000トンのほか、中国内の2カ所に計3,000トン、合わせて年8,000トンのレアアース生産設備を有している。今回の新工場稼動により、レアアース原料の調達幅が広がり、高性能磁石合金事業の一層の強化を図ることが可能となる。


【 会社概要 】
(1)社名    昭和電工レアアースベトナム有限会社
(2)所在地   ベトナム社会主義共和国 ハーナム省 ドンバン2工業団地(ハノイの南方約40キロ)
(3)資本金   6,360千米ドル(約7億円)
(4)設立    2008年10月1日
(5)出資比率 昭和電工 90% 東海貿易 10%
(6)事業内容  ジジムメタル、ジスプロシウムメタル等レアアース磁石合金用原料の製造販売
(7)社員数   約130名
(8)代表者   村上 大憲

■用語の解説
(*1)ネオジム:レアアースの一種。強力な磁力を持つネオジム系磁石の主要元素
(*2)プラセオジムやジスプロシウム:レアアースの一種。ジスプロシウムは高温下におけるネオジム系磁石の磁力低下を抑制するために少量添加される。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1273551316.doc