2010年05月14日
「世界の石油化学製品の需給動向」まとまる、化学課
アジアで需要の伸び高いが、“国際競争激化”も
【カテゴリー】:行政/団体(実績/統計)
【関連企業・団体】:経済産業省

経産省化学課は14日、「世界の石油化学製品の需給動向」2010年版を発表した。
2009年〜14年のエチレン系・プロピレン系誘導品及び芳香族製品の世界の需給動向を石油化学業界、商社、金融関係者らで構成する研究会(事務局:経産省化学課)で調査・分析した。

<調査概要>は以下の通り。

■世界的な需要回復

世界的な金融危機の影響や、原油価格の乱高下など、経済が混乱する中、各地域で需要の落ち込みが見られたが、2009年後半以降は需要も回復し、エチレン系・プロピレン系誘導品及び芳香族製品の2012年から14年の需要は2.0%から6.8%の伸びが見込まれる。

■アジア(中国)における需要の高い伸び

その中でもアジアでの需要は2010年(予想値)から2014年までにポリエチレン、エチレングリコール等を中心にエチレン系誘導品ではエチレン換算892万トン(年平均:4.9%)、プロピレン系はポリプロピレン、アクリロニトリル等を中心にプロピレン換算760万トン(年平均:5.5%)の伸びが予想される。

とりわけ中国はエチレン系誘導品ではエチレン換算705万トン(年平均:6.5%)、プロピレン系誘導品はプロピレン換算516万トン(年平均:7.1%)と、引き続き堅調に伸びると見込まれる。

■中東等における供給能力の増加

中東(エチレン換算で2009年に596.9万トン、2010年に237.2万トンの能力増強)、中国(エチレン換算で2009年に139.0万トン、2010年に197.0万トンの能力増強)等を中心に大幅に能力が増強される。計画通りに運転が開始された場合、世界全体では供給余力が生じ、当面国際競争が厳しくなっていくと予想される。


ニュースリリース参照
○世界の石油化学製品の今後の需給動向
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1273830891.pdf

○国別データ
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1273830993.pdf

○世界のプラント(現有及び2014年までの新増設計画)
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1273830993.pdf

○能力・生産・需要
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1273830993.pdf