2010年05月25日
ゼオン化成の新塩ビ樹脂、マツダ車「アクセラ」に採用決まる
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ゼオン化成、日本ゼオン

日本ゼオンは25日、100%子会社のゼオン化成(本社:東京都千代田区、小倉由郎社長)が開発した新塩ビ樹脂のパウダースラッシュコンパウンド(PSC)が、マツダの最量販車種である「アクセラ」(AXELA)のインストルメント・パネル表皮材に採用されることが決まったと発表した。

新材料のPCSは、粉末状の塩ビ樹脂に配合剤を加えたもので、パウダースラッシュという成形方法で一段成形する。低温特性に優れているため大型成形しやすい。

マツダでは車の助手席正面に取り付けるインビジブル・エアバッグ・システムの表皮材に採用する。1台当たりの樹脂消費量は約1キログラム。

現在使用されている熱可塑性ポリウレタンに比べて、意匠性、成形加工性に優れ、材料としても安価なところから大幅なコストダウンが見込まれている。

PSCは、塩ビ樹脂(PVC)を主体とした樹脂。日本ゼオンは現在、PVC事業から撤退しているので、国内メーカーから購入を続ける。

塩ビ業界にとって自動車向け需要の“復活”は、朗報となりそうだ。

同社では「PVCそのものが石油依存度が低いうえ、可塑剤に植物由来の材料を使用しているため、環境にやさしい素材として見直されている。感触が高級皮革に近いため自動車以外にもソファーや家具などの内装材分野に需要を広げていきたい」と言っている。

ゼオン化成では茨城工場でPSCを生産しているが、市場の拡大を見込み、2011年には中国で現地生産(年産3000トン規模)する計画を進めている。