2001年03月28日
北米の天然ガス価格が落ち着き取り戻す
100万BTU当たり5ドル台で推移
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:伊藤忠商事、三井物産

 三井物産、伊藤忠商事など大手商社によると、北米の天然ガスの価格がようやく落ち着いてきた。この1ヵ月弱の価格は、100万BTU当たり5ドル強のところで推移している。
 北米の天然ガスの価格(ニューヨーク・マーカンタイル取引所における先物価格)は、昨年11月に一気に同10~11ドルに上昇し、このため米国やカナダの石油化学企業の中には汎用製品設備の部分休止に追い込まれるところも出た。これは、原油の高騰とヒーティングオイルの在庫の払底、さらには北米全体を襲った未曾有の寒波や市民のクリーンネルギー志向の高まり--等によるもので、一時はエチレンやポリエチレンの世界全体の需給バランスに大きな影響が出かねない状況となった。
 しかしその後、原油価格の高騰に歯止めがかかったことやヒーティングオイルの最大需要シーズンが終わったことなどの要因から反落に転じ、1月末には同7ドル台に戻り、さらに3月に入ってからは5ドル台まで下がって現在にいたっているもの。
 わが国の大手商社の多くは、これからさらに大幅な下降を続けることはないのではないかとの見方を取っている。かつてのように同2~3ドルまで下がることは考えられないとしている。