2010年05月26日 |
荒川化学、ダウ・ケミカルの水素化石油樹脂事業譲り受けで交渉開始 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:荒川化学、ダウケミカル |
荒川化学工業(本社:大阪市中央区、末村長弘社長) は26日、ダウ・ケミカル社と、ドイツにおける同社の水素化石油樹脂事業及び現地に同社と合弁で設立している荒川ヨーロッパ社に対する同社の出資持分を譲り受けることについて、正式交渉を開始すると発表した。 最終合意成立の後、荒川ヨーロッパ社は同社の完全子会社となる。 荒川化学は1970年、高圧水素化技術を応用した無色透明な水素化石油樹脂「アルコン」を世界で初めて上市し、粘着・接着剤用樹脂、プラスチック用添加剤として、国内外に市場展開してきた。 一方、ダウ・ケミカルは、荒川化学から製造技術ライセンスを受け、1999年にドイツのコンビナート内に同樹脂の一貫生産体制を確立した。生産能力は現在15,000トン/年。 さらに両社は、販売会社として荒川ヨーロッパ社(出資比率:ダウ 60%、荒川化学40%)をドイツに設立し、欧州を中心に販売活動を展開してきた。 しかし最近、ダウ・ケミカルは新たな経営戦略として、コア事業への集中化を図りはじめた。同樹脂事業が非コアに分類されていることもあり、荒川化学では同事業を譲受けるとともに、今後も基盤事業として継続的に発展・拡大を目指していくことにした。 「アルコン」はC9留分を原料とする高機能樹脂で、荒川化学は国内では水島コンビナート内で生産。他にメーカーは出光興産、エクソンモービルなどがあるが、荒川化学は国内シェア35%を保有するトップメーカーである。 <ダウ・ケミカル社からの譲受け対象> (1)水素化石油樹脂製造設備ならびにその関連資産 所在地:Bohlen, Germany 生産能力:約15,000トン/年 (2)荒川ヨーロッパ社のダウ・ケミカル社出資持分60% (譲受け後は荒川化学の100%に) 【荒川ヨーロッパ社の概要】 (1)名称 荒川ヨーロッパ社(ARAKAWA Europe GmbH) (2)所在地 Am Kronberger Hang 4, 65824 Schwalbach/TS., Germany (3)代表者 取締役社長 Stephen M. Oliver (4)事業内容 水素化石油樹脂の販売 (5)資本金 52千ユーロ (6)設立年月日 1998年11月9日 (7)出資比率 ダウ・ケミカル社/荒川化学工業=60/40 (%) (8)売上高 32,919千ユーロ(2009年12月期) (9)経常利益 1,856千ユーロ(2009年12月期) ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1274860483.pdf |