2010年05月27日
産構審分科会・報告書「技術を価値につなげる国」提言
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

経産省は26日、昨年末に閣議決定した新成長戦略の具体化に向けて、今後の産業技術政策のあり方を検討してきた産構審産業技術分科会(分科会長=木村孟文部科学省顧問、有識者ら28氏で構成)の報告書を発表した。

新成長戦略は「グリーン・イノベーション」、「ライフ・イノベーション」を戦略的に推進し、新たな需要を創造するとともに、「科学・技術」を成長を支えるプラットフォームとして位置づけている。また、2020年度のGDP650兆円を目指すとしている。

これを受けて同報告書は、「技術を価値につなげる国」を2020年に目指すべき国の姿として描いた。
気候変動などの環境問題や低炭素社会構築への取り組み、中国・インドなどの新興国の高成長を背景とした石油や希少金属資源の安定確保、少子化・高齢化と医療・介護問題など、多くの課題をイノベーションによって世界に先駆けて解決し、それによって成長を実現する。

また2020年に向けて発展が期待される産業分野として、地球温暖化の解決に向けた環境・エネルギー関連産業と、少子高齢化に対応する医療介護・健康関連の産業を挙げた。環境・エネルギー関連では、わが国が競争力を有する太陽光発電や蓄電池のほか、運輸、建設、インフラ分野など裾野の広い産業が期待される。建設関連では住宅やオフィスのエコ化、LED・有機ELなどの次世代照明の普及、医療分野では高齢者用パーソナルモビリティや介護ロボット、バリアフリー住宅の発展などを挙げた。

これらの産業の発展の原動力としていくためにも「グリーン・イノベーション」、「ライフ・イノベーション」の推進が必要で、ナノテクノロジー、情報通信、ものづくり技術等の先端的な研究開発を推進していくことが重要であると強調している。

■政策提言
報告書は「技術を価値につなげる国」を実現する上で必要なこととして、以下の政策提言を行った。
(1)課題解決に直結する新たな研究開発プロジェクトの推進
(2)産学官が結集した拠点の構築と大学院機能の付与
(3)新技術に関する評価、認証体制の確立
(4)戦略的な国際標準化の推進とアジアとの連携
(5)産学共同による実践的な人材の育成


産構審産業技術分科会報告書
http://www.meti.go.jp/press/20100526003/20100526003-2.pdf