2010年05月28日
「日台企業の新たな事業展開の可能性」ジェトロと台湾貿易センターがシンポ
【カテゴリー】:海外
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ジェトロと台湾貿易センター(TAITRA)は26日、東京・六本木のジェトロ本部で「日台ビジネス・アライアンス・シンポジウム」を開いた。丸屋豊二郎・ジェトロ理事、趙永全・TAITRA秘書長が挨拶の後、専門家5氏が講演した。

このシンポジウムは中国、アジアの著しい経済成長の中で、日台企業の新たな事業展開の可能性を探ろうとするもので、中湾(チャイワン)経済の進展と日台アライアンスのあり方、中国・中華圏ビジネスの“試験区”としての台湾、台湾商社から見た日台ビジネスアライアンスなどで問題提起、個別提案が行われた。

まず、薮内正樹・ジェトロ海外調査部上席主任調査研究員が「IMFから今年の台湾の経済成長率が6.5%増えるとの見通しがでた。実際、第1・四半期には13.27%も伸びた。これは中国向け輸出が増大したためで、日本の中小企業も中国輸出に期待するところが大きい」と述べ、中国向け貿易促進でのアライアンスを強調した。

続いて伊藤信悟・みずほ総合研究所調査本部アジア調査部上席主任研究員が「台湾の馬英九政権が中国活用型成長戦略を打ち出した。チャイワンの進展であり、日台アライアンスの推進が求められる」と提案した。

対中経済関係の正常化(中台直航の拡充、中国人観光客の受け入れ、両国企業の投資規制の緩和など)、海峡両岸経済協力枠組みの協議(経済連携協定。6月締結を目指す)、両国間の産業協力・交流推進(直接的なビジネスマッチングを政府がおぜん立て)など。

また、「産業標準・基準認証分野での協力も進められる」と指摘した。標準面ではAVS(Audeo Video Coding Sutndard),無線通信、FPD、 モバイルストレージ、LED照明、グリーンエネルギー、IPTV、RFID、電子ブック、テレマティクスなど。ほかに中国企業の台湾からの液晶パネルなどの調達も急増している。

川嶋一郎・野村総合研究所コンサルテング戦略企画部担当部長は「台湾での日本企業の事業の可能性として、中国・中華圏ビジネスの試験区として捉えられる」とし、部材調達、研究開発・商品企画・設計、中国拠点への業務支援などをあげた。

商品・サービスの現地化や営業・宣伝の工夫の対象企業としてベネッセコーポレーション、ニトリ、モスフードサービスなどがあるとしている。

吉村章・台北市コンピュータ協会駐日代表は「中小企業の海外進出、事業展開を支援しているが、中国企業との・中国ではできないもの/中国から調達するものを区別、中国ビジネスの進め方、商習慣、スキルをつかみ、中国で通用するモノ・サービスを深堀、ビジネス要員の人選と人材育成に努める」ことが重要と指摘した。
とくに社内、社外にかかわらずアライアンス事業の目的を十分理解して事業推進に中心的な役割を果たす“ブリッジコーデネータ”の養成、確保が必要としている。

統一超商東京マーケティングのシャオ・ペイウェン・商品事進部部長は「自社の製造、流通、金融、貿易の事業を紹介するとともに、キッコーマンとの合資経営、カルピス、サントリーとの製販連携、伊藤園、明治製菓、森永製菓からの商品導入を成功例としてあげた。