2010年06月15日
エネルギー白書、「太陽光は大幅な発電コスト低下が期待」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

経済産業省は15日、平成21年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2010)が閣議決定し・国会報告されたと発表した。

(1)エネルギーを巡る課題と対応(2)エネルギー動向(3)エネルギーの需給に関して講じた施策の概要、の3部構成。

このうち、第2部のエネルギー動向の中で「再生可能エネルギーの導入」について白書は「わが国の導入に係る実績や将来見通しは、主要各国に比べて遜色ない」と強調したあと「しかし一方、その導入には出力の不安定性やコスト高、立地制約といった課題が常に存在している」と指摘。「主要国においても、地理や気候の違い、資源保有・利用状況、社会経済規模等の条件により、導入形態やポテンシャルは大きく異なっている」とし、「こうした条件や再生可能エネルギーの特性を踏まえた導入推進が重要となる」解いている。

また主要エネルギーの特徴や発電コストについて、要旨次の通り報告している。

■太陽光 (発電コスト=49円/kwh)
・大幅な発電コスト低下が期待できる。住宅・非住宅とも潜在的な導入量が大きい。産業の裾野が広い。
・発電コストが他の発電方式に比べて高い。

■風力 (発電コスト=10〜14円/kwh)
・相対的に発電コストが低く、事業採算性が高い。洋上風力などの新技術も登場している。
・立地制約(風況、自然公園、景観、バードストライク、騒音問題等)が大きい。

■地熱 (発電コスト=8〜22円/kwh)
・安定的な発電が可能であり、技術的にも成熟。エネルギー源が国内的に豊富に存在している。
・立地制約(自然公園、温泉地域)が大きく、今後発電コストが逓増する可能性がある。

■バイオマス
・種類、利用方法によりコストが大きく異なる。
・今後の支援制度如何によって、輸入原料の導入が増え、国内のバイオマス産業に影響を及ぼす。発電、熱利用、マテリアル利用などと競合する可能性もある。
・バイオ燃料については、LCAでの十分な温室効果ガス排出削減効果、エネルギーセキュリティ、コスト低減を確保しつつ、持続可能なかたちでの導入が必要である。

■水力(発電コスト=8〜13円/Kwh・小規模を除く)
・安定的な発電が可能であり、技術的にも成熟。中小水力発電への関心の高まりがある。
・立地制約が大きく、今後発電コストが逓増する可能性が高い。

■空気熱・地中熱
・給湯器・空調等に利用されるヒートポンプ技術は国際的に優位。
・燃焼式暖房・給湯に比べて初期コストが高い。