2010年06月16日
エネルギー白書「わが国の太陽光発電能力 世界第3位に後退」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

15日に経産省が発表した「エネルギー白書」(2010年版)は、再生可能な新エネルギーの中でもとくに期待の大きい太陽光発電について「今後の支援策が不可欠だ」と提言した(既報)が、わが国のこれまでの導入動向や課題、主要先進国との比較などについて、要旨以下の通り紹介している。

■太陽光発電

太陽光発電は、シリコン半導体等に光が当たると電気が発生する現象を利用して、太陽エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法。わが国では近年、着実に導入量が増えており2008年末累積で214万Kwに達している。

世界的に見ると、日本は2004年まで最大の太陽光発電導入国だったが、ドイツの導入量が急速に進んだ結果、2005年にはドイツに次いで世界第2位となった。また08年にはスペインにも抜かれ第3位となっている。

だが、わが国の太陽光発電は導入が進むことと並行してコストも下がっている。企業による技術開発の成果と、政府の支援策、電力会社の余剰電力購入等により、太陽光発電の国内市場は自立しつつあると考えられる。

<太陽光発電設備の国際比較(2008年)>(IEA作成の国別シェア)
◇IEA諸国合計  1342.5万KW
(1)ドイツ  39.8%
(2)スペイン 25.0%
(3)日本   16.0%
(4)米国    8.7%
(5)イタリア  3.4%
(6)韓国    2.7%
(7)フランス  1.3%

■太陽電池

また、太陽電池生産量も日本は07年まで世界トップの地位にあったが、中国とドイツの企業が生産を拡大した結果、現在は世界第3位となっている。世界の生産量に占める割合も07年の25%から08年には17.6%へと低下した。

太陽電池の国内出荷量は、政府の補助制度が一時打ち切られた05年をピークに伸び悩んでいたが、09年1月に復活して以来一挙に増加に転じた。

ただ、太陽電池には天候や日照条件等により出力が不安定であるという課題も残されており、蓄電池との組み合わせ等による出力安定化が求められている。

<太陽電池生産量の国際比較(2008年)>(IEA作成の国別シェア)
◇全世界生産量  694.1万KW
(1)中国   26.6%
(2)ドイツ  19.2%
(3)日本   17.6%
(4)台湾   12.3%
(5)米国    5.9%
(6)その他  18.3%