2010年06月29日
ChemChina、山東省で酸化チタン生産開始
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)

中国化工集団公司(ChemChina)の藍星グループの子会社の裕興化学は6月20日、山東省済南市の済南化学産業パークで酸化チタン計画の第一期の生産を開始した。

15億人民元を投じたもので、第一期の能力は年産10万トンで、原料の30万トンの硫酸プラントを含む。
(酸化チタン製法には硫酸法と塩素法があるが、同社は硫酸法を採用している。)

同社は同じ済南市に年産3万トンのプラントを持っていたが、2009年末に環境問題で停止、済南化学産業パークに新設した。

同社は第二期20万トンも計画しており、完成すれば能力30万トンで中国最大のメーカーとなる。


山東省ではデュポンがワールドスケールの酸化チタン計画を持っているが、環境問題で難航している。

同社は2005年11月に山東省東営市の経済開発地区で当初能力年産20万トンの酸化チタンを生産することで地方政府と合意書を締結した。
環境アセスメントは既に政府の承認を得ているが、まだ最終承認が得られていない。

デュポンは裕興化学と異なり、塩素法を採用しており、液体廃棄物は地下深くに注入している。

同社の立地は大慶油田に次ぐ中国第 2の油田の勝利油田の近くにあり、液体廃棄物が漏れ出すのではないかとの懸念が出ている。環境を理由にしているが、デュポン進出で影響を受ける中国のメーカーの反対も背景にある模様。

デュポンでは50年近く、この方法(underground injection 技術、Deepwell法ともよばれる)で処理しており、なんら問題を起こしていないとしている。
液体廃棄物は地下深く注入されて自然の地層のなかに分散され、自然の化学反応で無害になるとしている。