2001年03月26日 |
BASF、2000年業績は22%増収、15%増益と史上最高 |
全事業部門、全地域で2ケタの成長を達成/2001年も後半の成長に期待 |
【カテゴリー】:人事/決算 【関連企業・団体】:BASF、武田薬品工業 |
独BASFはこのほど、2000年度の業績を発表した。売上高は前年比22%増の359億4,600万ユーロ、特別費用控除前営業利益は34億ユーロと15.3%増加、ともに史上最高を記録した。 同社のユルゲン・シュトルーベ社長は、「化学業界にとって困難な年であったにもかかわらず、このような業績を達成できたことは喜ばしいことだ。当社の戦略、成功のフォーミュラが実を結んでいる」と述べた。 同社は近年、迅速かつ綿密に事業ポートフォリオの再構築を進めており、今後の成長のための土台を固めている。2000年度には、高吸水性樹脂大手のケムダール買収(世界1位に)、アメリカン・ホーム・プロダクツから農薬部門のサイアナミッドを買収(世界3位の農薬メーカーに)、武田薬品工業からビタミン事業を買収(世界2位の地位を強化)、シェルとポリオレフィン事業を統合してバセル・ポリオレフィンを設立、繊維用塗料事業をダイスターに統合、医薬品事業を60億ユーロでアボットに売却などを行った。 将来を見据えたポートフォリオを軸に同社は、2000~2002年にかけて特別費用控除前営業利益で、最低でも年平均10%の成長を目指している。目標達成には、石油・ガス事業の貢献が重要と見ているが、シュトルーベ社長は、「石油・ガス事業部門の2000年度利益は2倍以上に拡大することができたため、化学品事業の原料コストの増加を相殺することができた。これは偶然ではなく、計画的な戦略によるものである」としている。 2000年は全事業部門で2ケタの成長を達成、また各四半期でも平均約6.5%の販売数量の増加も実現した。同社は、第4四半期でも2ケタの成長を記録しているが、アメリカ経済の減速から原料の値上がりを製品に転嫁することが困難となっており、第4四半期の特別費用控除前営業利益は横ばいにとどまっている。なお、部門別の売上高は化学品が57億8,900万ユーロ(前年比30.9%増)、プラスチックス・繊維が110億3,000万ユーロ(同27.8%)、染料・顔料・加工仕上剤が71億900万ユーロ(11.2%増)、健康・栄養関連が67億1,700万ユーロ(19.9%増)、石油・ガスが39億5,700万ユーロ(29.7%増)、その他が13億4,400万ユーロ(2.2%減)となっている。また地域別でも、アジアの28%増、南米の36%増をはじめ、北米も24%増となり、全地域で2ケタの増加を記録している。 営業利益については、全事業部門が増益に貢献しているが、農薬事業はサイアナミッド買収・統合による費用負担が影響した。ただし、統合は順調に進んでおり、統合によるコスト削減効果は2億5,000万ドルが見込まれ、2001年にはその半分が達成できるとしている。 これらの成長に加え、同社の企業付加価値向上戦略の軸となっているのが事業の革新で、常に製品・プロセスの改善を図ること、その創造的なシステムソリューション、さらに化学の持つ大きな可能性がベースとなっている。シュトルーベ社長は1つの例として、最新の殺菌剤F500を挙げ、「新規開発の農薬は、極めて効果が高く、しかも環境に配慮した製品で、今後大きなリターンが期待できる」としている。 2001年の展望について、同社では2000年後半の業績から見て、地域ごとの差はあるものの、堅調に推移すると予測している。シュトルーベ社長は、2001年前半はBASFを含め業界全体で大きな期待はできないとしながらも、後半からは勢いが増すと予想している。さらに、「BASFはアメリカおよび世界の化学市場が上昇機運に乗ると予想される2002年に照準をあわせている。2002年には米テキサス州のポートアーサーのエチレン設備(シェル、アトフィナとの合弁計画)の稼働など、いくつかの大型設備が操業を開始する。BASFの戦略は実を結びつつあり、2000年に続いて2001年も様々な課題に挑戦し、すばらしい業績を達成できると自信を持っている」と説明した。 なお、BASFの2000年業績の詳細は、同社ホームページのhttp://www.basf.de/basf/html/e/investor/gb99/fb_2000/index.htm target=_blank>フィナンシャルレポートを参照。 |