2001年03月23日 |
積水化学、2001年度経営計画を策定、営業利益150億円改善目指す |
3カンパニーの黒字化を目標、生産拠点の集約などを実施 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:旭有機材、積水化学工業、日立化成工業 |
積水化学工業は23日、2001年度経営計画を策定した、と発表した。“住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスの3カンパニーを真の収益体質にする”ことを基本方針に、営業利益の150億円改善、3カンパニーの黒字化などを目指す。 2001年度の利益計画について、全社的には連結ベースで売上高を2000年度見通しの9,150億円から、2001年度は9,200億円、営業利益はマイナス50億円から100億円の黒字に、経常利益では20億円の赤字から100億円の黒字を目指す。セグメント別では、住宅カンパニーは2000年度の営業利益マイナス45億円を2001年度にはプラス10億円に、環境・ライフラインカンパニーは同じくマイナス30億円からプラス25億円と黒字化、高機能プラスチックスカンパニーは45億円から80億円への増益を計画している。 施策について、全社的には組織革新と人事制度の革新に取り組む。前者では、カンパニー権限の拡大と責任明確化、組織のフラット化と意思決定のスピードアップを図り、後者は早期退職優遇制度実施、全社員に成果主義導入、カンパニー毎の人材活用などを実施する。 カンパニー別の施策としては、住宅カンパニーでは収益力回復を目指し(1)損益分岐点の引き上げ、(2)大都市圏の強化、(3)ストック事業の拡大に取り組む。(1)では、販売管理費および部材・工事コストの削減に加え、製造固定費削減のためユニット組立ラインやアルミ系外壁生産拠点を集約する。 環境・ライフラインカンパニーでは、黒字体質への転換を目指し、(1)アライアンス推進や不採算事業改革などの事業構造改革、(2)環境創造事業の拡大、(3)事業運営体制の革新に取り組む。(1)では、すでに塩ビパイプにおける旭有機材工業との相互OEMや、浄化槽における日立化成工業との相互OEMを発表している。また(3)では、ユニットバス事業について、販売子会社のセキスイホームテクノ3社を統合、新会社積水ホームテクノを設立するとともに、本社のユニットバス事業を分離、新会社に移管し、住宅事業部を廃止するほか、北海道地域の樹脂加工事業については、北海道積水工業を母体として新会社を設立、同社の北海道支社を新会社に移管するとともに、積水流通センター北海道、北海道スリーエス荷捌を解散し物流機能を外注化する。また屋根材事業については、岡山積水工業と新田工場の2拠点で生産しているが、新田工場の生産を6月から順次岡山積水工業に集約、同年9月に休止する。 最後に高機能プラスチックカンパニーは、ITを中心とした成長分野の拡大を目指し、(1)新事業の創出、(2)海外事業の拡大(2000年度450億円から2001年度490億円に)、(3)事業運営体制の革新を図る。(1)では、IT500計画として、表示材料、実装基板、半導体分野で2005年度の売上を500億円に引き上げるほか、プラズマ事業の立ち上げに取り組む。このほか(3)については、ライフグッズ事業の分社化やサインシステム東西販社の統合、発泡ポリオレフィン生産拠点の集約などを実施する。同社は、武蔵工場と尼崎工場の2カ所で発泡ポリオレフィンを生産しているが、8月末をめどに尼崎工場の生産を中止し、生産を武蔵工場に集約する。 |