2010年07月12日 |
協和キリン、抗体医薬「KW-0761」第2相試験成果を米国で報告へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:協和発酵キリン |
和発酵キリンは9日、記者セミナー「医療現場における抗体医薬の役割」を東京・大手町のTKPカンファレンスセンターで開催した。このセミナーは、バイオ医薬の研究開発の中で注目を集めている「抗体医薬」をテーマに今年3月から12月まで4回開催するセミナーの2回目。今回は、協和発酵キリンが臨床試験中の抗体医薬「KW-0761」の臨床試験にも取り組んでいる飛内賢正・国立がん研究センター中央病院副院長(血液腫瘍科・造血幹細胞移植科科長)が講師となり、医療現場からみた抗体医薬の現状と将来展望を語った。 飛内副院長は、「抗体医薬は、免疫システム「抗原抗体反応」の標的物質を認識する抗体を人工的に作り、医薬品に応用したもので、標的(抗原)を狙い撃ちできる特異性に大きな特徴があり、想定したターゲット以外には作用せず、副作用の危険性が大幅に低減できるのがメリットである」と解説。とくに、標的となる細胞のみを攻撃し、正常な細胞に影響をほとんど与えないため、がん治療で期待されている、と強調した。 また、日本における抗体医薬品市場規模については、2007年に約800億円と推計され、2010年には1700億円を超え、今後10年で7000-8000億円市場に成長して、医療用医薬品市場7-8兆円の1割を占めるようになると予測されている。 また、飛内副院長が臨床試験に取り組んでいる協和発酵キリンの抗体医薬「KW-0761」の臨床試験状況については、国内ではCCR4陽性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)と抹消性T細胞リンパ腫(PTCL)が対象疾患であり、最大投与量が1・0mg/kgでこれまでの抗体医薬「リツキサン」の10分の1と少ないこと。また、副作用の報告例も極めて少なく、直接聞いた例でも呼吸器関連で1例があっただけだという。これら臨床国内第2相試験の成果は12月に米国で開催される血液学会で報告する予定である。 |