2010年07月16日
江蘇 呉江市が新発展計画「長江デルタの立地を生かす」徐・市書記
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

蘇州市の南側に隣接している呉江市が、産業の転換と高度化計画を発表した。訪日代表団の団長として14日、来日した徐明・市委員会書記が「市は高速道路、高速鉄道の建設とともに発展、長江デルタの中心地であり、産業の戦略的なグレードアップを図る」と語った。

同市は総面積1,176平方キロ、人口150万人の都市だが、一人当たりGDPが1万ドルを超えている。貿易は08年で140億ドル。これまでにシルク紡績、電子情報、光ファイバー、装備などの産業が発達した。今後は新材料、新エナジー、製薬、食品加工、自動車備品、環境関連、サービスなどの産業を育成するという。

1000年以上の歴史がある。93年に省レベルの開発区、呉江市経済開発区が建設されて以来、コンピュタネットワークを中心とする電子情報産業(生産額で全国の3分の1)が発達した。現在600社ほどの企業が活躍している。江蘇省と全国を代表するIT基地(全国の4分の1)となっている。

IT企業の進出に伴い電子部品の製造が進み、とくに光産業である光ファイバー(全国の4分の1)産業が発達した。白熱電球に代わるLEDや太陽光発電にも参入する。機械産業も米国のIR、韓国のDOOSANなどが進出、装備産業として成長している。

外資企業は3,100社(うち日系は100社)ほど。日系ではマブチモータ、信越ポリマー、ミツミ電機、古河電工、日新電機、フジクラ、サンデン、豊田通商、日立デバイス、NECエナジーデバイス,日本航空電子、伊藤忠、丸紅、三井物産、三菱商事など。他には米国ウォルマート、カルフール、独ポスコ、韓国フレクストロニクスなど世界500強のうち10数社が進出した。

市の交通網はまずここ10年で高速道路6本が完成した。とくに上海—湖州間の完成は上海紅橋空港から呉江まで30分、北の南通—南の寧波間も呉江まで30分の時間しか、かからないという便利さである。上海—南京間の高速電車も完成している。

上海、南京、杭州への十字路に立地する地理的な優位性もメリットである。市では05年に上海市に接した汾湖経済開発区(紅橋空港から54キロ)を建設した。約400社企業が参加している。09年の工業総生産額が2,512元となり、12年に5,000億元を目指す。

06年末に国家税関などと合わせて呉江出口加工区が設置された。区内企業には「増地税と消費税がない」。人件費は大卒8万-10円,博士20万円。徐書記は「参加する企業を幸せにしたい。収益を上げることが大事」としている。

問合せは、呉江市日本事務所(TEL:043-298-1180)、国貿促(TEL:03-6740-8271)