2010年07月16日 | |
クレハ、リチウムイオン電池用負極材 米社に供給、国内で増産体制 | |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:クレハ |
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クレハは15日、同社のリチウムイオン電池(LiB)用負極材「カーボトロンP」が米・EnerDel社(本社:インディアナ州)の電気自動車用LiB負極材に採用されることが決まったため、いわき事業所(福島県)の製造設備を増強すると発表した。 所要資金数十億円をかけて、同事業所のLiB用負極材製造設備を、現有年産600トンから同1,600トンに大幅増強する。稼動開始は2012年1月の予定。 リチウムイオン電池は、電気自動車(EV)やハイブリッド・カーなどの普及に伴い、今後需要の急拡大が期待されている。 このためクレハでは、計画の“第2弾”として、伊藤忠商事、EnerDelの両社と共同で、米国内に「カーボトロンP」専用工場を新設し、EnerDelへの供給安定化を図る方針を決めた。すでに2013年初の稼動開始を目指して第1期工事の設計業務に着手することで合意している。 クレハは、石油ピッチを原料とする活性炭製造技術をベースに、1991年から「カーボトロンP」を事業化。これまでは充放電特性や耐久性に優れるという特徴を生かし、産業用大型LiBを中心に市場展開してきた。車載用LiBについても現在、自動車や電池メーカー各社が「カーボトロンP」をテスト中で、「品質評価は高まっている」と同社ではいっている。 <EnerDel社の概要> Ener1の100%子会社でOEMレベルの車載用LiBシステムを製造できる電池メーカー。米国内で唯一、セルから電池システムまで一貫して開発・製造できる量産設備を持ち、既にノルウェーのTHINK社、スウェーデンのVolvo社へ電池システムの供給が決まっている。また、中国の最大手自動車部品メーカーWanxiang(万向集団)と共同でEV用電池システムの開発・生産する合弁会社設立の作業に入っている。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1279258102.pdf |