2010年07月16日
プラ処理協、東京23区の廃プラ処理で環境負荷と経済負担を調査
リサイクル費用、原油換算約5倍、CO2削減は取引価格の約19倍
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

プラスチック処理促進協会は15日、東京都23区の資源回収、プラスチックごみの収集状況を調査した「使用済みプラスチックの収集・運搬・処理・処分における環境負荷と経済負担に関する調査報告」を発表した。

それによると、容器包装(その他プラスチック)を収集・処理している物質回収重視型(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル)の地域の環境負荷は低く、資源節約の割合は高いが、経済的負担が大きい。一方、使用済みプラスチックを可燃ごみ収集・処理(発電効率13%)する割合の高いエネルギー回収重視型(サーマルリサイクル)の地域は、その逆となる。

また、可燃ごみ収集・処理を基準に、その他プラスチックを収集・処理する場合のリサイクルの費用対効果をみると、原油節約コストは市場価格の約5倍、CO2削減コストは排出取引価格の約19倍と高いことがわかった。

つまり、リサイクルの「費用対効果」を計算すると、1リットルの原油を「節約」するのにかかるコストは原油市場価格(1バレル=80ドルで計算)の約5倍、またCO2削減の場合は排出取引価格(1トン=3000円で計算)の約19倍のコストがかかっていることがわかった。

プラ処理協では「もっと効率のいいリサイクル方法を考えていく必要がありそうだ」として、今後も引き続き調査を行っていく方針である。

【関連ファイル】
抄録
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1279269289.pdf

調査報告
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file2_1279331746.pdf